第33話 あ、あら?
さて、エルフさんたちには了解が取れたので、これからの事を具体的に話し合わないとね。
〖じゃあ、これからは一緒にやって行くことになるんだから、まずはお互いのことを知り合わないとね。さあ、いつまでもそんなとこいないで、座って座って!お茶しよう!料理長、みんなのお菓子とお茶あるよね?〗
『おう!まかせろ!まだまだ栄養つけなきゃいけないしな!それにこれからは体力と魔力アップの料理も取り入れてかねぇとな!』
『そういうことなれば、妾も協力は惜しまぬよ。薬膳とは奥が深い故、最近楽しくてのぉ』ふふ
『あらあらまあまあ、ハマってくれて嬉しいわ。薬膳やハーブは色々出来て楽しいのよね。でも、薬になるものは毒にもなるから気をつけないとね』
『ふむ。それはもちろんじゃ。薬と毒は表裏一体じゃからの』
『あ、あの、それは調薬とは違うのでしょうか?薬膳やハーブとは?』
天界樹様と私が盛り上がり始めたところに、おずおずという感じでエルフのお父さんが話に入ってきた。
『おお、そう言えば、本来エルフは森からの恵みを色々と薬などにするのが得意であったの』
まあ!それは、私の中のエルフさんのイメージに当てはまるわ!
これまで聞いていたエルフの話はイメージとかけ離れすぎていて嫌悪すら、いいえ、嫌悪しか感じなかったものね。
『その通りでございます。私たちは森の中で細々と自給自足のような生活をしておりましたので、森の恵みに感謝して、ポーションなども作っておりました』
なるほど~
『ふむ。隠れながらの生活、苦労はあったであろうが、その中でも、森に感謝を捧げ続けたのは素晴らしきことだの』
『ありがとうございます』
『ふむ。興味があるのであれば、妾の庭の畑を手伝ってみるかの?最近はの、レイの世界の知識を借りて中々面白いものも作っておるのじゃよ』
『それは異世界の知識と言うことでしょうか?』
『そうえ!その知識で今まで不味くて口にはできなかった物まで美味しく食せたりするようになったのじゃ♪』ふふん!
天界樹様?そこで何故あなたが胸を張るのかしら?その揺れる豊かなお胸を⋯
『ヒッ!?』ぞくぞくぅっ
『ど、どうなされましたか?』
『な、なんでもないのじゃ』ぶるぶる
あらあらまあまあ、天界樹様ったらどうなさったのかしら?おほほほ
『と、とにかくの、妾の最近のお気に入りは、紅茶や烏龍茶にドライフルーツやハーブをブレンドしたものじゃの。お茶はそのままの方が好ましいと思っておったのじゃが、意外や菓子などにもあっての。それに何やらお肌も前より調子が良くなったのじゃ』ふふ
『なんとっ』
あら?何だかエルフさんみんな驚いてる?
ギンっ!
あ、あら?他にも視線が?気のせいかしら?まあ、とにかく
『それは良かったわ。ハーブは組み合わせ次第で相乗効果が期待できるしね。今は飲みやすさを重視して紅茶などにブレンドしているけれど、ハーブだけのお茶なども美味しいのよ』
『ああ、あの聖域より届いた赤いお茶、不思議と美味しかったのぉ。確か花のお茶だったの』
『ああ、ハイビスカスと言う赤い花で作ったお茶と、ローズヒップというバラの種を合わせたお茶ね』
『そうじゃったの。初めは慣れない酸味に驚いたがの、直ぐに美味しく感じられるようになったのじゃ。特に蜂蜜を垂らすのがお気に入りじゃ』
うんうん。クセになるお味よね?
『あれはね、あの酸っぱさが疲労回復に効くのよ。その他に美肌効果もあるわ』
ギンッ!
ん?また?
『あっ⋯』
こそこそ
〖エルフのお父さんはこっちに来ようか~危ないからね~〗
『は、はい。で、では失礼ながらお言葉に甘えて⋯』
命大事⋯
『なるほどのぉ。水出しの緑茶も日焼け防止だったかの?入れ方ひとつで効果も変わるとはのぉ』
『ふふ。免疫力を上げる効果もあるのよ。不思議よね?お茶を入れるお湯の温度でさえ、味が変わるだけじゃなく、脂肪を燃焼しやすくなる⋯』
〖〖それ、詳しく!〗〗ガシッ
『ヒッ!?』
あ、あらあらまあまあ?魔神様と女神様?
それに、椅子からは立っていないのにエルフの奥様の目が!?
『やってしまったのぉ、レイ⋯』
天界樹様!?半分以上あなたの責任ですよね?
『さてのぉ?』だらだら
ちょっと見捨てないで!?あっ!エルフのお父さんまで?
いつの間にあんな遠くに!?
みんな酷いわッ
〖〖さあ、詳しく〗〗ガシッ
『⋯』うんうん
『あ、あははは⋯』
だ、誰か助けて~
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