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巨乳女騎士を添えて~〈バトル!〉四天王戦もあるよっ!

 
挿絵



「えっ、も、もちろん! 全身全霊で魔王様に進言しに行くよっ!! 私たち友達だものッ!」
「はあ、それさあ、お前の力で何とか……お咎めナシになんねーかな」
「この期に及んでまだ条件を上げようとしている!?」
「あのさあ、意味ねーんだよなあ、処刑免れても、一生牢屋ん中かタダ働きだろ? そんなん裏切ってるって勘違いされた時点で覚悟決まってんだよ、ぜってーこっから逃げ切って、適当にィ! ダラダラしたァ! 生活送るんだってよォ!」
「クソみたいな覚悟!」
「いや、その、さすがに四天王の力でもお咎めなしはちょっと…」
「んだよ、四天王もたいしたことね―な」
「ご、ごめんなさい…」
「サイテーかッ!! こんだけ寛容に友達の為に頭下げてくれようとしてくれてる天使に対して、お前、サイテーかッ!!」
「俺が裏切ってほしいのか欲しくないのかどっちなんだよ」
「この状況を見ると裏切れって言いたくなるよっ! 見ろ! 耳と尻尾すごい垂れちゃってるじゃないか、見ててつらくなるよ! 謝れ! せめて謝ってこい!!」
「痛ェ! 引っ張るな!! わーかったから!」

 俺だって、出来るなら戻りてェ、だが勘違いされて起こした行動は、もう言い逃れ出来ねーくらいやっちまってる、お咎めなしは無理、俺が一番よく分かってる…………わりィな、ヴォック。
 俺は二、三歩前に出ると、しょんぼりとしている、黒い毛皮に覆われたそいつに片手を上げて謝る。

「すまん」
「軽いなぁ、もっと真剣に謝れ」
「ううんいいの、ジン君が良いならそれで…」
「じゃあこれで俺ら行くか――」

「これで、私はジン君を捕まえなくちゃイけなくなったよ」

 まあ、そうだよな。

「安心して、処刑させたりしないよ、ただ私に捕まったら一生牢屋か一生タダ働きか…覚悟してね」
「何だよ、ちゃんと悪魔みてーなこと言えんじゃねーか」
「人間さん、あなたももう友達だから出来れば殺したくない…」
「え、いや、そんな」
「そうだッ! 私の故郷、淫魔の里に連れて行ってあげるよ、あそこなら少なくとも死なずに済むからさっ! うん! それがいいっ!!」
「故郷そっちかぁ、四天王に負けたら一生人間電池…勘弁してくれ!」

 自分の未来を想像して、ブルッと身震いすると、剣に再び力を入れ構える乳山、俺はその横に移動し、乳山にあるものを、ヴォックスに見えないように見せると、小声で――作戦を伝える。
 ヴォックスは空気を胸いっぱいに吸い込み再びその悪魔の声を轟かせようと腹に力を入れる。

ヴォックス「すうううううーーーーー、ギッ」

 同時に乳山は走り出し、ヴォックスに突っ込んでいく。それを見た俺は手に身に着けた指輪から小瓶を取り出し山なりの軌道でヴォックスに投げ付けた。
 乳山の緩慢な一撃にヴォックスは退屈そうにその振り下ろされた剣を、自身の頑丈な爪で弾くと、乳山の影から飛んでくる小瓶を逆の手で切り裂こうと、俺の目からは見えない速度で腕を振るうが、瓶に当たる前に停止しヒョイと避ける。
 その投げつけた小瓶の中身は追剥をしていた輩から巻き上げた聖水だったが、ヴォックスは一瞬の判断でその中身を本能的に警戒し避ける姿勢を取った。
 が、俺は端からそれを直接当てるつもりなどなく。
 パシッ、と乾いたキャッチ音を響かせて乳山が小瓶を受け取ると、その勢いのままヴォックスの体に直接小瓶を押し付ける、最初小瓶を避けようと重心を前方向に移動したヴォックスはそれを防ごうと片手でガードするように無理に体をねじるが、そのまま瓶は手の爪に当たり、パリンッと音を立てて割れ、祈りのこもった百mlの聖なる液体がその艶のいい、黒い毛皮に、その白い胸の模様にかかり、音を立てて蒸発する。

「あっ…ああんっ! んんッ...あっふうん////」
「おい! これホントに聖水か!? 妙な薬とかじゃないだろうな!?」
「聖水だよ! それより叩け! 今しかチャンスねーぞッ!」

 剣を構え直し先程と同じ一撃を放つと、ヴォックスも先程と同じように爪で攻撃を弾こうとするが、それは思いのほか沈み込み明らかにパワーが落ちているようだった。二撃三撃と繰り返し、剣のセンスを感じさせない乳山の乱暴な攻撃にも、四天王と対峙しているせいか、戦っている感じを醸し出す程度には弱体化のおかげで様になっているように見えた。

「りゃあ! くらえっ!!」
「…人間さん、なめないでよね」
「うおっ!!」

 だが力の差は歴然であり、その攻防もヴォックスが剣を爪で受け止めることによって終わり、鍔迫り合いは全力で押し込んでいる乳山に比べ、涼しい顔で剣を押し返すヴォックスというアリとゾウの相撲のような差が見て取れるほどだった。

「くっアア…ア˝ア˝ア˝ア˝!!」
「人間さん騎士みたいだし、もっとやれる人なのかと思ったら…これじゃあ魔王城脱出なんて愚か、私がいま指を弾くだけでも死んじゃいそうだよ、せめてこの不釣り合いな剣を止めたら?」
「うるっさい!!」
「悪いけど、こんなんじゃ私には勝てないよっ!」

 剣をつまんでいる手とは逆の手に爪を伸ばし、乳山に攻撃しようとする刹那、背後の影に紛れて忍び寄る俺が、片腕から半透明の口を模したような物を生やして登場する。

「勝たなくてイイんだよバーカ」
「ジン君!? 嘘っ! ずっと警戒してたのに、いつの間に――」
「くえっ」
「**オイsiソ--」

 バクン。

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