第2話 偶然出会った謎の少女
俺の名前は、伊尾島 忠雄40歳。
俺は休日前の夜、親しい友人たちと一緒に肝試しに行くのが日課。
日浦 裕太郎40歳と糸谷 陸男40歳は中学時代からの長なじみ。
この日の夜も山奥の廃村へ肝試しに行った。
裕太郎「着いたぞ。あれ?」
今日は裕太郎の車で来た。
しかしついた場所は。
陸男「おいおいおい、道間違えたんと違うか?どう見ても新しい家が並んでる住宅街じゃねえか。本当にここで会ってたのか?」
裕太郎「あれー、おかしいな。確かここが廃村だったはずなのにな。」
俺「ここが?まさかだよ。」
俺が見た廃村であった場所には新築の家が並んでる住宅街でしかも高級住宅街。
俺「ここは一般の俺らがいたら通報されるから帰ろうぜ。」
裕太郎「おっかしいなー。本当にここだったのになあ。」
アンナ「あんたたちどこから来たん。」
陸男「げっ、やばいみつかったじゃないか。」
アンナ「まーまー逃げなくていいじゃん。ここは私達魔法少女が住む街だよ。」
俺「魔法少女!」
アンナ「そ、あんたたちが目指してた廃村はここから2キロ先だよ。」
裕太郎「あーそうだった。教えてくれてありがとう。」
親切に廃村がある場所を教えてくれた少女は魔法少女。
大村 アンナという女の子だ。年齢は見た感じでは15歳くらいかな?
そして今度こそ目的地の廃村にたどり着いた。
裕太郎「今度こそ着いたぞ。」
俺「うわー!荒れ具合が半端ない!」
陸男「井戸があったらやばいかもな。」
裕太郎「井戸ならあそこにあるぞ。」
裕太郎が指さす方向に確かに井戸があった。
でも夜の廃村は真っ暗のはずだった。
俺「あの家灯がついてるぞ。誰か住んでるのか?」
裕太郎「そんなはずないぞ。本当だ。あの家だけ灯がついてる。」
陸男「人が住んでるんじゃやばいじゃろう。」
裕太郎「ここ廃村のはずだったんだぞ。」
突然俺たちの前に少女が。
木実「あなたたちは新野町から来たね。」
陸男「君はどこから来たんだ?」
木実「やーねー、私はあの家で3人で暮らしてるんだよ。」
俺「あの家!」
裕太郎「ここは廃村だぞ。」
木実「確かにここは廃村に見えるけど廃村だったのは3年前までよ。よく見てみて新しい建物がいっぱいあるでしょう。」
裕太郎「とほほ、廃村ではなくなったのか。」
陸男「まーまーがっかりするなよ。こういう時もあるよ。」
俺「君は魔法少女が住んでる住宅街で見た子だね。」
アンナ「まあね、あんたたちが無事廃村まで行けるかを見届けるためついてきたの。」
裕太郎「いつの間に!」
アンナ「私の名前は大村 アンナ、この子は犬原 木実。莉乃と結出ておいでー。」
莉乃「はいはーい、お呼びですかー。」
結「あらお客さんですか?」
アンナ「この子が猫町 莉乃でこの子が狐島 結よ。」
莉乃と結「初めまして。」
アンナ「あんたたちここへ来た以上、住民になってもらわないと困るね。」
俺「それ聞いてねえぞ。」
莉乃「お兄さんたちこの村の話聞かなかったの?」
裕太郎「え?この村は廃村だとしか聞いてないぞ。」
結「そうなの。実はこの村は私達魔法少女の村。ここに来た以上は。」
アンナ「奴隷になってもらうわ。」
陸男「ちょっと待って、それはないだろう。」
木実「周り見てごらん。あの男もこの村で奴隷になったのよ。」
裕太郎「えっ、あの姿は!」
俺「あの姿は10年前から行方不明になってる社長じゃないか!どうしてここに!」
アンナ「いやいや今まで黙っててごめんね。あの男あんた達の会社の社長さんじゃなかったっけ。会社を存続させるためここにきて私たちの奴隷になってるのよ。」
俺たちが最初に出会った奴隷、それは10年前から行方不明になってた滝谷 信治社長65歳。
陸男「社長、社員全員が探してたんですよ。帰りましょう。」
莉乃「無駄よ。その男は自分が社長だったこと覚えてないから。」
アンナ「私が記憶全て消したから魔法でね。」
俺「嘘だろう。」
裕太郎「スマホが使えない!」
結「ここではねスマホ使えないよ。要するにここに来たら奴隷になるしかないってことよ。」
陸男「意地でも出口探してやるわ。」
意地でも脱出しようとした陸男は生きて帰ってこなかった。
俺たちはアンナたちの奴隷になるしかない。
それが今の生き延びる方法。