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第10話 話しの続き

本日2話目です。
☆。.:*・゜☆。.:*・゜

主神様の恐ろしいお話はまだ終わらない。そう⋯まだ、孫の話が出てきていない。でも、正直、聞きたくないと思う自分がいる。でも、聞かなければいけない⋯

『⋯大丈夫かえ?少し、休むかえ?』
気付かぬ内に震えていた私を抱きしめていてくれた天界樹の精様が、私を心配してくれている。私は今、よほど酷い顔をしているのだろう。

『⋯っ、だ、大丈夫です。続けて下さい。私は、聞かなければいけない』
そう、聞かないと⋯
『⋯そうか。主神様』

〖⋯うん。悪趣味な遊びに飽きたヤツはね、思いついてしまったんだよ〗

『⋯なにを?』

〖⋯⋯⋯⋯⋯〗
沈黙が、怖い

はぁっ
長い沈黙の後、主神様が大きく息を吐いてから、一気に話し出した。
〖今までと、逆のことをしたらどうだろうか?こちらに攫って来るのではなく、こちら側のモノをあちらに送り込んだら?〗

『⋯ィャ』
キキタクナイ
『⋯っ』ぎゅうっ

〖その最悪なタイミングで見つかってしまったんだ。愛し子が〗グシャッ
今まで堪えていた主神様の手が、爪がくい込んで血が滲むほど握りしめられている。

『⋯』くらっ
『しっかりするのじゃっ』ぎゅうっ
『あ⋯あり、ありがとうございます』
そうだ、気絶してる場合じゃない
『大丈夫かえ?』
『は、はい⋯主神様、続きを』
聞かないとっ
『⋯』

〖⋯愛し子は攫われ、異世界に隠されてしまった。私たちも必死に探したんだ。でも、巧妙に隠されて、見つけられなくて。その間に幸せな夫婦だった貴方の息子夫婦の子として、愛し子はあちらで生まれたんだ。ごめんなさい。息子さんは恐らくヤツに殺されたんだ〗

『⋯⋯⋯⋯』
『⋯すまぬ、すまぬっ』ぎゅう
天界樹の精様が泣いてる。今、主神様は何を言った?私の息子は?

〖ヤツは、幸せなものを壊すことに喜びを見出すんだ。だから、あの時一番幸せだった〗
『私の息子が、選ばれた⋯』
『⋯すまぬ、すまぬっ』ぎゅう

〖そう。そして、愛するご主人を亡くし、ひとりで愛し子を産んだ母親は、性格を歪められ、人生を狂わされ、愛していたはずの娘を憎み、虐待した〗

『⋯そんな』
ずっと、優しい息子がなぜあんな酷い女を選んだのか不思議でならなかった⋯まさか、彼女も犠牲者だった?

〖さすがにね、この部分は彼らにも伝えていないんだ。でも、不思議だったでしょう?貴方の自慢の息子さんが選んだ女性のはずなのにって⋯〗

『ええ⋯』
その通りだわ

〖息子さんは間違った相手を選んだわけじゃなかったんだよ。全てはヤツの仕業だったんだ〗

『ええ⋯』
それだけは救い⋯でも、息子は愛する娘を目にすることも叶わなかった。悔しい⋯
『⋯っ噛んではダメじゃっ、血がっ』
『あ⋯すみません、お洋服が』
『かまわぬっ』
唇を噛んでいたようだ。天界樹の精様が袖で口元を拭ってくれた。キレイな服なのに⋯ぼんやりそんな事を考えてしまう

〖それからは、知っているよね?虐待、放置されたお孫さんは、貴方が必死に見つけ出して保護してくれた。そして、沢山の愛を注いで助けてくれた〗

そう。私と孫の生活が始まった。

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ごめんなさい。シリアスさんが終わらない⋯
『転生初日に~』『小さな小さな花うさぎ~』もよろしくお願いします。

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