痛い言葉
ギィさんは本社につくとゆっくりと一呼吸してから入った
奥にある受付に行くと緊張が走った
可愛い二人の人間の受付嬢がいた
二人はギィさんを見ると優しい笑顔になりながら言う
(こんにちは、ご予約の方ですか)
ギィさんは手に汗をかきながら低い声で言った
(はい、今日、専務と会う約束をしているギィというものです、少し早く着きましたので待たせていただいてもよろしいでしょうか)
受付の女の子
A
(わかりました、しばらくお待ちください、確認してみます)
ギィさんは(ありがとうございます)といって頭を下げた
しばらくすると受付の女の子Aは言う
(ギィ様、確認が取れました、では10回の会議室でお待ちください、専務はまだ用事がありますのでお時間になられたらこられると思います)と言った
ギィさんはわかりました、そちらで待たせていただきます
こう言うとエレベーターの所にまで言って10回を押すとドアが閉まった
やがて10回につくとエレベーターをでて会議室に向かった
会議室のドアを開けると中は暗かった
電気をつけて椅子に座り待つことにした
待っている間、ギィさんは今日話す内容を確認していた
待っている間、本当に怖かった
これからこの長年勤めていた会社をしかも役職がある会社を裏切るような真似をして辞めるのかと思うと胃が切りきりと痛くなった
しかしここまで来たらもう後戻りは出来なかった
ギィさんの役職は工場で働く重要なポストについていた
会社を辞めることを仲間に告げると文句を言う連中も多かった
中には励ましてくれる社員もいた
色々考えたあげく、自分はこの会社にずいぶんとお世話になっていたのが、みにしみてわかった
ふと、涙がこみあげてきた
右手で涙をふくと気を取り直して待つことにした
時間になると部長と専務が部屋に入ってきた