強い決意
ギイさんはざのざのさんと分かれると用事も終わったのでそろそろ帰ることにした
駐車場に行き、愛車に乗るとエンジンをかけて駐車場の券を精算して走り出した
高揚感がギイさんを包みこんでいた
街道を走りながらギイさんはこの間会社を退職するために東京の本社を訪れていた
ギイさんは思わず低い声でつぶやいた
(あのときは本当に痛い言葉をもらったな)
0月0日、今日ギイさんは会社をお休みして東京にある本社へ行くために電車に乗っていた
電車に乗りながらあたりを見回すとお客はまばらだった
窓から外を眺めてみるといろんな景色が見えた
ギイさんは今から本社に行くと思うと胃が少し痛くなった
落ち着こうと思いながらケータイでゆめスズキのパートオブライフを聴いた
だんだん落ち着いてくるとこれからの事を心の中で思った
今、貯金はかなりある
退職金も出るだろう
(お金はなんとかなりそうだ、しかし、まだこれといったラーメンをどこで修行するのか
とかは決まっていない、行き当たりばったりだ
しかし、どうしても我慢できないや、なんでだろう、でも)
そう思うと精神的にかなり疲れた
しかし、なぜか理由もわからないままギイさんはこのときじゃあないと絶対だめなんだというなんとも奇妙な確信を持っていた
ふと、前の席に座っていたカワイイキツネの子供と目があった
小ぎつねくんはギイさんを見ると優しい顔をして笑った
ギイさんは思わず涙を流しそうになりながらなんとか
こらえて笑った
隣に座っていたお母さんのキツネさんも笑った
次の駅につくとキツネさんは降りていく
お母さんと小ぎつねくんは手を振ってバイバイをしてくれた
ギイさんもバイバイと手をふる
他の方たちはその姿を見て温かい気持ちで笑っていた
それからやっと東京駅につくとギイさんは駅にあるコンビニでコーラ
を買ってベンチに座り飲んだ
喉がカラカラになっていた
ギイさんは(さて、行くとするかな)と低い声でつぶやくと本社に向けてあるき出した
今日の天気は太陽がサンサンと輝いていたが、ギイさんの体はなぜか冷たかった