541 小鬼ちゃんたちと、これから
名付けのピカーっで、目を回しちゃった小鬼ちゃんたち、らいちゃん、つむちゃん、ひょうちゃん。そろそろ起きるかな?
『『『ううう~ん⋯』』』もぞ
「あ、うごいちゃ」
もぞもぞして、瞼もピクピクしてます。
『らいちゃん、つむちゃん、ひょうちゃん』
ぴゅいきゅい『『だいじょうぶ?』』
みんなで小鬼ちゃんたちを覗き込みます。
『『『うぅ⋯えっと』』』むくっ
『『あ、起きたよ』』ふりふり
『『『おはよう~』』』ふりふり
フライ、フルーと、妖精トリオが目の前で手を振ると
『『『お、おはようございます⋯え?ちっちゃ?』』』
さっきまで自分たちと同じ大きさだった妖精トリオが小さくなってる!と、起きた早々、また目を回しそうになってる小鬼ちゃんたち。でもね?
『ちがうよ~』
『こおにちゃんたちが』
『おっきくなったんだよ~』
妖精トリオが背伸びして手を大きく広げます。
『『『え?』』』
『ほんとだよ、ほら』
『ぼくたちちょっと』
『『抜かれちゃった!』』
今度はフライとフルーが自分の頭の高さで手をひょいひょい。
『『『え?』』』
ぴゅいきゅい『『モモとスイといっしょなの♪』』ちゃん♪
モモとスイが腕を組んで、ハイ、ポーズ♪
『『『ええ?』』』
小鬼ちゃんはまだ信じられないみたいです。
「らいちゃん、ちゅむちゃん、ひょうちゃん、おようふく、かわっちゃにょ」
パンツ破けちゃったからね。
『『『え?』』』
小鬼ちゃんたち、さっきから『え?』しか言ってません。
『あらあらまあまあ。そうよね、いきなりこんなに色々変わったらびっくりしちゃうわよね?』
おばあちゃんが小鬼ちゃんたちを気づかって声をかけてくれます。
『そうだね。でも、ちゃんと体に合ってるか見たいからね。立てるかい?』
『『『は、はい』』』
小鬼ちゃんたち、おかみさんたちに手伝ってもらって、立ち上がります。
「ふお~お。かっちょい~」きらきら~
太鼓ドンドン!してくれたら似合いそう~
『『『え?』』』
サーヤのおめ目キラキラに今度はびっくり
『うん。似合ってるね』
『サイズも良さそうだね』
きゅるる『でも、後で細かい採寸はする』ニヤ
『『『それは、もちろんだよ』』』ニヤ
わぁ~何かやる気にあふれてる~
『『『え?』』』
小鬼ちゃんたち、そんなおかみさんたちと絹さんの迫力に負けてます。
ぱんぱんっ
〖皆さん、その辺りにしましょうか。あなた達、体は大丈夫ですか?おかしな所はありませんか?〗
エル様が医神様のお仕事をしてます。
『『『は、はぃ。だいじょうぶ、です』』』
〖それは良かった。それでは、次はちょっと触らせてくださいね。⋯ふむ。やはり魔力がかなり上がってますね〗
『『『え?』』』
小鬼ちゃんたち、きょとん。
〖サーヤに名前をつけてもらうと、何かしら変化があるのですよ。力が強くなったり、若返ったり、今のあなたたちやハクのように成長したり。ああ、フゥとクゥもそうですね〗
『そうだね~。ほら、ぼく本当はこのくらいだよ~』ぽんっ
小さくなるハクに
『そうね。わたしたちも妖精トリオと同じだったしね』ぽんっ
『というか、俺たち妖精だったしな』ぽんっ
やっぱり小さくなるフゥとクゥ
『『『え?』』』
急に小さくなったハクたちにびっくり。
「ふああああっ かあい~♪はくぅ」
『サーヤ~』ぽふっ
「もふもふ~」むぎゅう~
『そうでしょ~♪ぼくもふもふ~♪』
ハクを抱っこしてご機嫌なサーヤと、抱っこされて満足気なハク。ほのぼの~
『なんだよ』
『ハクだけなの~?』
「ふぅ、くぅみょ、かあい~♪」
『そうだろ?』
『そうでしょ?』
「あい!」
ほのぼの~
〖それに種族が変わることもありますしね。ハクとギンがそうですね。ああ、あなたたちも種族が変わったようですよ。鬼妖精族だそうです〗
『『『え?』』』ピシっ
あ、固まった
〖鬼族は本来、妖精や精霊には忌避される。鬼に喰らわれるからな。だけど、お前たちは違う。妖精の血が濃く出てるし、妖精を傷つけたこともない。故に妖精たちに好かれているからな〗
〖そうですね。妖精たちは喜んであなた達に力を貸すでしょうね。もしかしたら、妖精たちの方から契約を持ちかけられるかもしれませんよ〗
〖そうだな。お前たち、魔法を使う時は気をつけないとな。今までの感覚で魔法を使ったら、この辺り嵐で吹っ飛ぶかもしれないぞ。強くなったお前たちの力に、更に妖精たちの力が加わるからな〗
〖そうですね。今すぐ暴発するようなことはないでしょうが、早急に魔力操作を練習した方が良いでしょうね。早速今からでも⋯おや?〗
〖〖〖⋯⋯〗〗〗カチーン
〖んん?おーい。どうした?〗
小鬼ちゃんが完全に固まっちゃいました。
『どうした?じゃねぇよ。鍛治神も医神も、好き勝手に話を進めすぎなんだよ。お前らと違ってコイツらは繊細なんだぞ。ただでさえまだ子供のこいつらに色々抱え込ませちまうなんてよ。可哀想に、完全に固まっちまったじゃねぇか。ちゃんと考えてやれよな』ふぁさ
同情した牙王様が小鬼ちゃんたちを守るように座りました。しかも神様相手にちゃんと叱ってくれてます。
「ふおお」
サーヤもっしっぽくるんして欲しいな!
『サーヤ、今はダメだぞ』
『小鬼ちゃんに譲ってあげないとね』
『そうだよ~。それにサーヤにはぼくがいるでしょ~』ふぁさ
「あい。はく、もふもふ」むぎゅう~
『そうでしょ~』
ハク、グッジョブ!
〖そうだな。悪かった〗
〖申し訳ありませんでした。大丈夫でしょうか?〗
ヴァル様とエル様も謝ってくれました。
『大丈夫だろ。ほら、小鬼たちしっかりしろ。起きろ~』ゆさ
牙王様が揺すって起こしてくれてます。
『『『は、はぃ。すみますん』』』
小鬼ちゃんたち、起きた早々謝らなくたっていいんだよ。
『謝らなくていいんだぞ。こんなこと一気に言われたら、普通は誰でもそうなる。常識がないあいつらが悪いんだ』ふんっ
〖その通りだな。悪かった〗
〖そうですね。では、早速練習しましょうか〗
『『『え?』』』
「ほえ?」
『ええ~?』
『『い、今の流れで?』』
小鬼ちゃんたちだけじゃなくて、今度はみんながポカン。
〖⋯医神、お前〗じとー
『分かってないだろ』じとー
ヴァル様と牙王様が呆れてます。
〖そんなことはありませんよ。申し訳なく思っているのは本当です。ただ、この子たちは姿は小さいですが、確実に大きな力を持っています。力を暴発させない為にも、まずは自分の魔力を操作できるようにならないといけません〗
〖そりゃそうだけどよ〗
『順序とか、心の準備とか、色々あるだろよ』
そうだよね~。色々あるよね?
〖それに、魔神がいたら何と言ったでしょうね。サーヤたちは分かりますね?〗
ジーニ様がいたら?んー?あっ
「ちゅよいちかりゃを、もちゅもにょは」
『責任を伴う。だよね~?』
ハクと一緒に答えます。そうだよね。ジーニ様言ってた
〖強い力を持つものは責任を伴う。覚悟があるなら、私が責任を持って鍛えてあげる〗
って。だから、みんな練習してるんだよ。
〖その通りです。よく覚えていましたね。偉いですよ〗
「えへ~?」
『やったね~』
でも、今、ジーニ様いないよ?それに、もう少しちゃんと説明してくれたよ。
〖魔神がいない間は私たちが教えますよ〗
〖そうだな。雷電、旋風、雹、お前たちは強い力を持っちまったんだ。その使い方を間違えないためにも、練習した方がいいな〗
『『『は、はい。がんばります』』』
『たすけてくれた、サーヤちゃんたちのためにも』
『みんなのやくにたてるように』
『おんがえしできるように』
『『『よろしくおねがいします』』』ぺこ
小鬼ちゃんたちも、やる気出たみたいです。でもね?
「おんがえち、ちがうにぇ」
『そうだよね~。お友達を助けるのは当たり前だもんね~』
ぴゅいきゅい『『みんな、なかよち!』』
『『そうだよね。みんなで』』
『『『なかよく』』』
みゃあ『がんばるにゃ~!』
『がんばるのだ~!えいえい』
きゅるるん『『『『『『『おー!』』』』』』』
『『『え?』』』
え?じゃなくてね?
「みんにゃ、いっちょに、えいえいおー!にぇ?」
『『『え、えっと?』』』
『いいんだよ~とにかく~』
ぴゅいきゅい『『えいえい』』
「『『『『『『おー!』』』』』』」
『『『お、おー!』』』
がんばるぞー!
『おお、ちびっこたち、やるじゃねぇか!がんばれよ!良かったな、お前たち。いい仲間ができて』ニッ ふぁさふぁさ
『『『は、はい!』』』
あっいいな~牙王様のしっぽなでなで。サーヤにも後でしてね。とにかく、新しいお友達と、がんばるぞー!おー!
でも、やっぱり~
「もしゅこち、しぇちゅめい」
『うん。説明必要だよね~』
ぴゅいきゅい『『うん』』
みんなで、うんうん。
『あらあらまあまあ、サーヤたち、偉いわ』
『うんうん。成長したんだな。偉いぞ』
『安心おし。後でわしらからも説明するからの』
『そうじゃの。ライたちにも、エル様にものぉ』
「あい!」
『『『『『うん!』』』』』
おばあちゃんや亀じぃたちなら安心だね。よろしくね!
〖おや?〗
〖当然だな〗
『当然だよな』
『『『⋯⋯っ』』』おろおろ
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