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ローバー

『ローバーが壊れたのか?』
僕はローバー近くの定点カメラの画像をパソコンに映す。

『やっちまた』
ローバーは横転していて、食事の入った箱の4分の1は無くなっていた。

『愛莉!まずい!ローバーが倒れた』
僕は愛梨を無理やり起こした。

『え?』
愛梨は起きてローバーが倒れたことに驚いている。

『ひとまず見に行くぞ』
僕たちはローバーを見に行くことにした。



『はーついたな』
僕たちは2キロぐらい離れたローバーの置いた洞窟の前に立つ。

洞窟の入り口はこの前見に行ったときよりも崩壊で入り口が小さくなっていた。それにそこらじゅうに食事の箱が転げていて中身が出ていた。

『やばいな』

『そうだね、食事もダメそうだしローバーがダメなんて』
愛梨は不安そうだ。

『食事は洗えばいいし、ローバーはだ壊れたわけじゃない』
洞窟の奥へと足を進めた。

洞窟の奥に行っても若干吹き抜けになってしまったので明るい。

ローバーが見えた。
横転していてタイヤと車体下部が見えていた。それにフロントガラスが粉々になっていた。

『ローバーちゃん!』
愛梨はローバーの方へ走って行く。

『愛梨待って』
僕は愛梨の方へと足早に歩く。

(ゴロ)
愛梨の頭上の500ミリペットボトルほどの岩が振動で取れ落ちて行く。


『愛梨!』
『ん?きゃ』
愛梨を突き飛ばした

(ゴン!)
岩が足に当たって落ちた。
『いて』

『どうしたの?』

『いや、岩が落ちてきたんだ』

『え、そうごめん』

『いてて』
僕は岩が当たった足を見ようと体を動かす。

『足に当たったの?』

『うん、まあ。でも大丈夫歩ける』
僕は立ちあがろうとした

『よいしょ……いた』(ドサ!)
立とうとしたら痛くて立てなかった。

『えっと』
愛梨も困っている。

『僕は動けそうじゃ無いから愛梨がローバーを直して』

『え、うん、でもやり方わからない』

『僕が指示するから』

『わかった』

『まずは側面の横転時用ウィンチを使ってくれ、使い方は書いて有る』

『どこ?』

『そこの赤いアンテナのしたのハッチだよ』

『あ!ここね』


その後は愛梨はぎこちなくもなんとかローバーを立たせた。
僕も立てるくらいにはなったので見に行く。

『どう?すごいでしょ、できたよ』

『ああ、そうだね、ありがとう』

『中に入ろう』
コックピット周りはフロントガラスの破片だらけだった。

『電源つくかな?』
僕は電源ボタンを押す。

(ウーン)
意外にも電源がついた。デジタルタブレットにはモーターも大丈夫だと表示されている。フロントガラスがないので宇宙服で運転する必要が有るが使えそうだ。

『愛梨、ローバー動けそうだ』

『本当?良かったー』










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