498 トレちゃんとゴラちゃんの提案
それーゆけー
「あんぱ・・・」ぱしっ
『サーヤ?』
ごめしゃい
空を見上げると、自由にぴゅんぴゅん飛んでる三人のゴーレムさん。その背中には
『凛さん、ついに色違いのマントまでつけたのか』
「あか、あお、きいりょ」
パタパタしてるね。なんか、正義のヒーローの色みたいだね?
それにしても、ごーちゃん、れーちゃん、むーちゃんに付与魔法っていうのができることが分かって・・・
『・・・魔力の流れが雑』
『す、すまん』
『難しいね』
『そうですわね。よく言えば豪快、悪く言えば、大雑把ですわね』
『そ、そうかい』
『うーん、苦手なんだよな、細かいのは』
『もっと丁寧に魔力を練るにゃ!ドバッと魔力を送ればいいってもんじゃにゃいにゃ!』
『やってるだろ!』
『出来てないから言ってるにゃ!』
『まあまあ、あんたら、ちょっと落ち着いて』
ただいま、大ちゃん、アイナ様、ニャーニャにゃんによるゴーレム作成講座が開催中です。
〖確かにね。本人たちが光魔法や治癒魔法を覚えるのも大事だけど、自分たちでゴーレムを作って、色々付与出来るようになれば、森の守護も厚くなるし、もしもの時の保険にもなるかもね〗
ジーニ様もいい案かもね?と、頷いてます。
『ドワーフたちの里ならぁ、元々、地の精霊王のアイナの力が行き渡ってるしねぇ。ゴーレムなら相性もいいんじゃないかしらぁ?』
結葉様も、のほほんって、いいんじゃないかしらぁ?って、言ってます。
『アイナの所は、緑が豊かな森に囲まれてますから、植物系の何かがあってもいいかもしれないですわね。成功すれば、私たちの所でも同じことができるかもしれませんし』
リノ様が珍しくまともです!ちゃんと精霊王様だったんだね!
『サーヤちゃん、今、何かひどいこと考えませんでしたか?』
いいえ?そんなことないですよ?
きゅるる『日頃の行い』
『絹さんまで!?』ガーンっ
日頃の行いですね・・・
『ん~、でもリノちゃん、確かに今回はいいこと言ったかもぉ?今・回・は!ねぇ』くす
〖そうね。確かに一理あるわね。今・回・は!〗くすくす
『お母様にジーニ様まで!?』ガーンっ
やっぱり、日頃の行い・・・
〖ですが、お母様、植物系の何かとは?アイナの森にはドライアドなどの妖精種もいたかもしれませんが〗
〖そうですね。妖精種はいるかもしれませんが、ゴーレムのように堅固な守りや、大きな破壊力とはいかないでしょうね〗
〖そうね・・・〗
わさわさ
〖ん?〗
わさわさ、わさわさ
〖あら!〗
〖まあ!〗
〖そうでしたね、あなたたちなら〗
神様三人の前に現れたのは
「あ~、とれちゃん、ごらちゃん!」
そう。トレントのトレちゃんと、マンドラゴラのゴラちゃんたちです。
わさわさ
うんうん。なるほどぉ。
「あにょにぇ、とれちゃんが、なんにんか、とれちゃんにょ、おちょもだち、おひっこち、ちたら?って」
言ってるよ。それから、ゴラちゃんは
わさわさ
うんうん。そっかあ
「じぶんちゃちは、いけにゃいかりゃ、ここにょ、ふちゅうにょ、やしゃいに、まんどりゃ、・・・まんどらごらに、なっちぇもりゃって、いっちょ、いっちゃら?」
って、言ってるよ。ぜーはー
〖サーヤ、偉いわ。頑張って通訳してくれたのね〗なでなで
〖ありがとう。サーヤ、偉かったわね〗なでなで
「えへへ~♪けほっ」
がんばった?けほっ
〖ふむ・・・。なるほど。確かに、こちらにはいつの間にかトレントが増えてますからね。何人か引っ越してもらうのは、いい案ですね〗
『そうねぇ。ゴラちゃんたちはぁ、自分たちがこの世界にいないお野菜だって分かってるからぁ、この世界にいるお野菜にマンドラゴラになってもらって、一緒に行ったらぁ?って言うわけねぇ?頭いいわねぇ』
エル様と結葉様が感心してます。
『まあ!それでは、近い内に私と闇のの所にも来ていただけないでしょうか?私たちの村も周りは森ですのよ。さすがに火や氷の妹たちや、空の弟の場所は無理ですけれど』
「いもうちょ?」
リノ様はそう言えば何番目なのかな?
『はい。私と闇のが長女ですわ。一番初めに、一緒に誕生したのですわ』にっこり
「ほえ?いちばん?」
〖はい。一番ですわ〗にっこり
そんなすごい精霊王さんだったの?あんなに変態さんなのに?
『サーヤちゃん?また何かひどいこと考えませんでしたか?』
いいえ?なにも?
きゅるる『やっぱり、日頃の行い』
『絹さん!?』ガーンっ
日頃の行いだよね
〖まあまあ、確かに、変なところはあるけど、リノが長女なのは本当よ〗
『そうねぇ、どうしてこうなっちゃったか分からないけどぉ、本当よぉ』
そうなんだ~
『皆さんが酷いですわぁ』しくしく
日頃の行い~
〖こほん。とにもかくにも、アイナの所で様子を見る必要はありますよね〗
〖そうですね。聖域から出す訳ですから、何かしらの影響があるかもしれないですしね。それに、一般的なマンドラゴラも作れるか、やってみないといけないですしね〗
シア様とエル様が本題に戻した!そうだよね。ちゃんとやらないと
「んちょ、ふちゅうにょ、まんどりゃ···どらごりゃ···」
むー。難しい~
『マンドラゴラな』
「あい」
難しい~
『そうねぇ。普通のマンドラゴラはサーヤたちの言うニンジンさんに似てるわねぇ。キャロってお野菜から生まれることが多いんだけどぉ。ゴラちゃんたちと違ってなんというかぁ』
〖可愛くないというか、サーヤたち、下手したら怖くて泣いちゃうかもしれないわねぇ〗
「ふえ?」
泣いちゃうくらい怖いの?
『そうなの~?』
ぴゅい『ちょっと』
きゅい『気になる~』
『『たしかに~』』
みゃあ『ちょっと見てみたいにゃ』
『興味津々なのだ!』
ちびっ子たちは見たいみたいです。怖いって言ってるよ?
『怖いもの見たさって奴だな。俺も見てみたいかも』
おいちゃん!?怖いんだよ?
『あらあらまあまあ、ゲンさん、昔からそういう所あるわよね』
『だって面白そうだろ?』
『あらあらまあまあ・・・』ふぅ
『え~やめたほうが』
『いいとおもうな~』
『ないちゃうよ~?』
妖精トリオは知ってるらしくてやめた方がいいと言ってます。ほら、やめようよ。
『オイラもやめた方がいいと思うんだな』
『おっかなくて夢に出るだよ』
『おみみもおかしくなるだよ』
『『『おそろしいだよ』』』
ぽぽちゃん兄弟は実際に会ったことがあるのか、三人で抱き合ってぷるぷるしてます。
そんなに怖いの?やだな~。だから、やめようよ。
〖ふむ。見たいなら見せてあげましょう。ちょうど手持ちがありますしね〗
「ふえ?」
エル様!?
〖ちょっ!医神、待ちなさいっ〗
〖ダメですよっ〗
ジーニ様とシア様の静止も虚しく···
〖はい。これですよ〗ばばん
インベントリの中にあったのか、頭の葉っぱの部分をむんずと掴んで、こちらに向けて見せたお顔は···
【キシャーッ!】
「ふぎゃーっ!」
『おばけーっ』
ぴゅいきゅい『『いやーっ』』
『『怖いよーっ』』
みゃあ『あっちいってにゃーっ』
『恐ろしいのだーっ』
ちびっこパニック!蜘蛛の子散らすように逃げて···
べちょっべちょべちょっ
転けました···
〖キャーっサーヤっ!みんな!〗
〖医神っさっさっとそれをしまいなさい!〗
ジーニ様とシア様がサーヤに駆け寄りながらエル様を叱りつかけます。
ギン様やアルコン様たちもちびっこ達の元へ駆け寄ります。
「ふぎゅう」
いちゃい···
〖サーヤ、大丈夫?〗ひょい
〖医神はあとでしっかり怒っておきますからね〗なでなで
まったくもう!と、お怒りです。
『お父さん~』
ぴゅいきゅい『『こあい~』』ぶるぶる
『『おばけ~』』
みゃあ『あっちいってにゃー』
『怖いのだ~』
ちびっ子たちもそれぞれ
『ハク···』
ギン様のしっぽに隠れ
『ぶふっ』
アルコン様は例のごとく顔にしがみつかれ
『あ、あの皆さん、どこに隠れて···』
フルーたちはみんな揃ってリノ様のドレスの裾に隠れちゃいました。
『だから』
『みないほうがいいって』
『いったのに~』
妖精トリオ、見ないようにお手手でおめめ隠してます。
『つくし、なずな、目を開けちゃダメなんだな』
『『わかったんだな~』』
ぽぽちゃんたちは抱き合って目をつぶってます。
〖おや、そんなに怖いですかね?よく見ると愛嬌があると思うのですが〗
『いやいや、大人がみても十分怖い顔だぞ(見なきゃ良かったかも)』ヒクッ
『あらあらまあまあ・・・(仕方のない方たちねぇ)』ふぅ・・・
そうだよね?おいちゃんも怖いよね?ひょろひょろの人参に、つり上がった目に、口裂け女みたいなお口でした!極悪人とおばけ合体したみたいなお顔です。
おばあちゃんは見せたエル様と、見たいと言ったおいちゃんを呆れたような目で見てます。
「か、かわいいおかおにょ、きゃろちゃんがいい」ぷるぷる
怖いのはイヤです。
〖う~ん、そうねぇ〗
〖サーヤがそう願ったら、そうなりそうね〗なでなで
ジーニ様とシア様が困ったお顔してます。
きゅるる『まずは、キャロを育てないことには始まらない。畑行く』
そう提案したのは体に震える子グモちゃんたちをくっつけた絹さん
きゅるるん『『『『『『『こわいよ~』』』』』』』
そうだよね。こわいよね。どうか、かわいい子が産まれますように!
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