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真実、母親、虐待

「それは……あなたは、魔法使いだからです」
「え? どういうこと?」
「もしかして、あなたの母親が魔法使いだということを知らなかったのですか?」
「はい……」
「母親……マリーの名字さえも?」
「お母さんは、私がまだ赤ちゃんだった時に病気で死んだことしか聞いてないの……」
「そんな……辛い話でしょうが、ちゃんと泣かずに聞いてくださいね。あなたのお母さんは……」

 ここからの話は結構長かったので、わかりやすくまとめてみます。
 私のお母さん……マリー・オルタネイトは病気で死んだのではなく、ケインの苛烈な家庭内暴力で亡くなったこと。
 そしてマリーは魔法使いで、魔法使いだから「オルタネイト」という名字をもっていたということ。
 つまり、私も単に「アリッサ」ではなく「アリッサ=オルタネイト」だということ。

「……どうでしたか? どう思いましたか?」
「悲しいというか……なんていうか……」
「答えられないのならいいですよ……そういえば、あのフランセットからの手紙は読みましたか?」
「ちょっと待ってください」

 私はそう言ってポケットに手を突っ込みます。
 確かこの中にあの手紙があったはず……ありました。
 ポケットから手紙と一緒に手を取り出し、アリシア先生に差し出します。

「これであってますか?」
「はい、あっています。それでは、中を読み上げてください」
「わかりました……」

 私はすでに封を切ってあった手紙の中から、まだ読んでいなかった中身を取り出して読み始めた。

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