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青山と管理人

あれ、ここどこだ…?安いマンションのところを契約して、来たんだけど。

ザクザクッという緑の音が俺の耳の奥まるで響き渡って、夜なのもあり心霊体験だと思った。


こんなことになるなら、お金をケチらなきゃよかったかな。

あー、東京行きたかったなー。

そんな小さな後悔を胸にしていると、突然背後から低い声で呼びかけられた。

「オイ…オイ。」

「え、あっ、はいぃ!」

とんでもない声をあげたことを恥ずかしくなった反面、急に背後から声をかけてくるなんて、本物の幽霊なのではと疑う気持ちがあったのだが、振り向いたらそこにはまるでワオキツネザルのような遠い目線の人がいた。


「俺は黒いマンションの管理人、欠け川だ。マンションの場所がわからなくて迷子になってんだら、この角の左にある。…それにしても、ここまで来れたのはお前だけだ。よく迷わなかったな。」

「はぁ…昔から地理は得意で。」

「そういうものなのか。」

それだけ言うと、管理人と名乗るワオキツネザルのような目をした男は晴天なのに傘をさして帰って行ったのだった。

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