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その瞳を見た瞬間、背筋に寒気が走った。

そしてその日の放課後、少女は瑠奈を呼び出したが、来なかった。そこで少女はさらに次の日に呼び出そうと考えたのだがなかなか時間が作れずに結局三日後の金曜日になってしまったのだ。だが少女はすぐに行動を開始した。少女はまず瑠奈の家に行きインターホンを押したが誰も出てこなかったので諦めようとした時、家の扉が開き瑠奈が出てきた。少女は驚いている。なぜならば、瑠奈が出てくるとは思っていなかったからだ。
少女は驚きながらも勇気を出して声をかける。
―こんにちは。私は、瑠奈ちゃんの味方だから、一緒にがんばりたいの。私と一緒に恋をしてみない?- その言葉を聞いた瑠奈は不思議そうな顔をしていた。それを見てすぐに、自分がおかしなことを言っていることに気がついた。
それから少女は何も言わずに走り出した。そして自分の教室に入ると、友達に話しかけたのだった。
少女が話しかけると、友達も困惑したような表情をした。そして二人はしばらくの間黙っていた。それから少女が言った。
―ごめんなさい。変なこと言ってしまって……- その言葉を聞くと友達は困ったような顔で、 ―気にしないでください。それより早く行きましょう?― と言った。
少女は、どうして?と思いながらも何も聞かずにただついて行くことにした。
その女の子はとても可愛いかったので男子たちが注目していた。
二人は校舎裏へとやってきた。
―ここで何をするの?― と、少女が問いかけるが答えはなかった。
すると突然、一人の女子生徒が姿を現してこう言った。
―やっと来たわね。ずっと待ってたのよ― その女子生徒は、どこかで見たことのある顔だった。
すると、今度はもう一人、同じ学校の制服を着た男の子が現れた。
女の子が叫ぶ。
―もう逃げられないよ― 女の子は笑っている。
そこで気がつく。その女の子が誰なのかに。
―あの時の女だ― そう確信した時には既に遅く、体が動かなかった。―なんでこんなところにいるのだろう?― そう考えているうちに意識が遠のいて行った。
そして次に気が付いたときには、見知らぬ場所にいた。
そこには、たくさんの人が倒れていた。
そしてその中に、一人だけ立っている人がいた。
それは、前に見たことがある人だった。―あれは、私をここに連れてきた人だ。ということはここはどこだろう?― そう考えて辺りを見回すと、あることに気付いた。
それは、空が真っ赤に染まっているということだった。夕焼けにしてはあまりにも赤く染まりすぎている。
さらに、地面も赤い。まるで血の池地獄のように、一面が赤色に染められていた。
その異様な光景に、思わず鳥肌が立った。
少女は周りを見渡していると、後ろから気配を感じた。
少女は振り返る。するとそこにいたのは、あの少女だった。少女はこちらを見ていた。
その目には、狂気が宿っていた。
その瞳を見た瞬間、背筋に寒気が走った。
そして、少女が口を開く。
「ねぇ、私と遊ぼう?」
その声に答えることはできなかった。
そして、その日からその学校には奇妙な噂が流れた。
それは、『血の付いたセーラー服』という噂である。
その話を聞いたとき、私は胸騒ぎがした。
そして、私はその真相を確かめるために行動を起こした。
私は、その日、いつもよりも早めに学校に登校した。
そして、私は、下駄箱の中に手紙を見つけた。私は急いでそれを開けて中を見る。
その手紙には、こんなことが書かれていた。
『放課後、校舎裏に来てほしい』
私は、その手紙に書いてあった通りにその場所に行った。でも、それは罠で、待っていたのは、私に呪いをかけた犯人だった。
私は、そいつを睨みつける。
「よくも私を騙してくれたな」
「何のことかしら?」
「とぼけるな!」
「とぼけてなんかいないわ」
「じゃあ、なんで私を呼び出したりしたんだ?」
「だって、あなたがいけないんじゃない。私に嘘をつくから」
「なに?」
「本当は知ってたんでしょう?私の呪いを解く方法」
「……」
「やっぱりね」
「それがどうした?」
「いいえ、別に」
「それで、私に呪いを解かせてどうするつもりだ?」
「さぁ?それはあなたが決めればいいじゃない」
「……」
「あら、だんまりなのね」
「お前に教えてもらう必要はない」
「ふーん」
「それにしても、お前は何者なんだ?なぜ私の呪いを解けた?」
「それは秘密」
「お前、いい加減にしろよ。私の呪いを解けるのはお前しかいないんだよ」
「そう?」
「ああ」
「ならいいじゃない」
「……」
「呪いを解きたかったんでしょう?」
「それはそうだけど」
「ならいいじゃない」
「……」
「そんなに難しい話でもないのよ」
「えっ?」
「あなたの想いを伝えればきっと上手くいくはずよ」
「それ、どういう意味?」
「そうね。例えば、好きな人に告白するとき、緊張するでしょ?」
「そりゃ、まあ」
「それと一緒」
「いや、全然違うだろ」
「違わない」
「えっ?」
「そう、怖くないの」
「いやいやいやいや」
「だからね、私、呪いをかけちゃうの」
「いや、怖いって」
「怖くないよ」
「命知らずね。じゃあ、死ねば?」
クワっとワニのような大口をあけた。そして少女の右手首を噛みちぎった。
「ギャー!」
少女の悲鳴が響き渡る。
そのあとに聞こえたのはグチャリという肉を潰す音だった。
「痛い!痛い痛い!助けて!誰か、助けてぇー!!」
しかし少女の声が誰かに届くことはなかった。なぜならば、
「誰も来るわけがないでしょ?ここには私と君以外誰も居ないもの」
と、男は笑みを浮かべながら言う。そしてまた、肉を咀しゃくする音が聞こえてくる。その音は少女の耳元で囁かれたかのようにはっきりと聞こえた。
「私、死ぬの?死にたくない!まだ死にたくなんてない!嫌だよ!私はまだ、生きていたい!なのに、なのにどうして?私はこれからも生きていきたいのに!私はただ、恋をして、愛して、そして幸せになりたいのに……どうして、こんなことになるの?こんなの、おかしいよ……。こんな世界、大嫌い。こんな世の中に生きるくらいなら、いっそのこと死んでしまいたい……」
そして少女は息を引き取った。
―ザッ― ザァアアッ―――
ノイズが聞こえる。
「―で―か?―な―が―で―――き―――う―――れ―――く―――――よ―――――――?―」
ノイズ混じりに男の言葉が流れてきた。何を言っているのかは聞き取れないが、おそらく何かを話しているのだろう。
「――く――――し――――の―――――は―――だ―め―――――よ―――――で―し―く――く―の―こ―の―せ―――」
そしてノイズは消えた。
そこで目が覚めた。
「夢か……。嫌な、夢を見たな」
目が覚めると汗が噴き出してきた。体中にべっとりとついた汗を拭いて着替えると学校に向かった。学校に着くとすぐに授業が始まった。先生は淡々と話をする。内容は、今日も平和だった。
「今日はみんなに転校生を紹介するぞ」
教室が騒つく。そして、一人の男子が質問をした。
「せんせー、その人はどこから来たんですか?」
その質問を聞いて、クラスの女子は黄色い声を上げた。その質問に対して教師は、「外国からだ」と言った。
「どんな子かな?」と女子たちは嬉々として会話をしている。

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