俺は魔王を突き飛ばすと、間一髪のところで避けた。
「えっ？」
「あんたは本当は弱い男だ」
「何を言っている？ 私は強いぞ」
「それは違う。本当の強さというのは誰かを守るために使うものだ。あんたがやっていることはただの暴力だ」
「黙れ！」
「うるさい！」
俺は魔王の口を塞いだ。魔王は暴れて逃れようとしたが、俺は魔王を抱きしめた。
「離せ！」
「嫌だ」
「ふざけるな」
「いいから聞け」
「聞きたくない」
「聞いてくれ」
「断る」
「では死ね！」
「死にません」
「いいから聞け」
「聞かない」
「頼むから」
「絶対に話さない」
「お願いします」
「いーやーだ」
「そこをなんとか」
「絶対いーやー」
「お願いします」
そこへメリダがバスタードソードで切りかかった。「ごちゃごちゃうるさい。死ね！」
俺は魔王を突き飛ばすと、間一髪のところで避けた。
俺は魔王を睨みつけると、剣を抜いた。
魔王が泣きそうな顔で俺を見つめている。
メリダが俺に斬りかかってきた。俺は大きく後ろに飛び退くと、剣を構えた。
俺は剣先をメリダに向けた。
「俺は勇者として異世界召喚された。だが、俺の召喚主は俺のことを道具として扱った。俺は勇者として戦いたくなかった。だから、勇者として戦わないことにした。その結果、俺は勇者として召喚された意味を失った。俺は勇者として召喚された。だが、勇者として戦うことができなかった。勇者の使命を放棄した俺に、勇者の資格はない。だから、俺は勇者をやめることにした」
俺は剣を鞘に収めた。
「だが、俺はまだ勇者としての誇りを失ってはいない」
俺は魔王に向かって手を差し伸べた。
「俺はあんたの配下になろう」
「……」
「魔王は俺のことが気に入らないか？」
「……そんなことはない」
「それじゃあ、よろしく」
俺は魔王の手を取った。
こうして俺は魔王の配下になった。
俺は魔王の配下のふりをして、異世界人と戦うことになった。
魔王の使いは俺の前から姿を消した。
俺は魔王の配下を装って、異世界人と戦った。魔王の命令で異世界人を殺すために戦った。もちろん、異世界人には魔王の使いであることは伝えていない。異世界人は俺を魔王の使いだと思い込んでいる。
俺は異世界人を殺した。俺は異世界人を殺し続けた。
異世界人の数は日に日に多くなっていった。俺は異世界人の数を減らすために奔走した。
ある日、俺は異世界人に殺されかけた。俺は異世界人から逃げ回った。だが、俺は異世界人の包囲網に捕まってしまった。俺は絶体絶命の窮地に立たされた。
そのとき、異世界人の首が飛んだ。俺は驚いて振り返った。そこには魔王の使いを名乗る男が立っていた。
「大丈夫か？」
「ああ、助かったよ」
「礼はいらない」
「そうはいかない」
「それより早くここから離れろ」
「分かった」
俺はその場を離れた。
数日後、俺は魔王の使いを名乗る男と再会した。男は俺の前に立つと、深々と頭を下げた。「すまなかった」
「どうして謝るんだ？」
「君を巻き込んでしまった」
「巻き込まれたのはお互い様さ」
「そう言ってもらえると気が楽になる」
「そういえば、名前を聞いていなかったな」
「私の名前は……」
「待ってくれ」
「ゲームマスター。このゲームは失敗作だった。クソゲーだ。だからこれでゲームオーバーにする。またのご利用お待ちしております。」
「待てよ。まだ、終わってないだろ？」
「終わりだよ。この世界はリセットされるんだから。」
「だから、待てよ。」
「何を待つんだよ。」
「お前が今ここで消えることか？」
「そうだよ。」
「お前は本当にそれで良いのか？」
「良いも悪いもないよ。これが僕の運命だもの。」
「お前が消えても、お前の世界は何も変わらないぞ。」
「僕が消えたら、この世界は元に戻るんだ。」
「お前が居なくても、この世界に生きる人達はちゃんと生きていけるぞ。」
「僕はこの世界に必要の無い人間なんだ・・・。」
「お前がこの世界で生きてきた事は無駄なんかじゃないぞ。」
「そんな事無い！！そんなはずは無い！！」
少年が声を荒げる。「だって、この世界には何一つ楽しい事が無かった。友達なんて一人も出来なかったし、先生はいつも怒っていた。お父さんやお母さんに甘えた記憶も無いし、優しくしてくれた人も誰もいない。」
少年は涙を浮かべながら言う。
「そんなの、楽しくないし、辛くて苦しいだけだもん。」
「でも、それがこの世界の現実だ。」
「嫌だ。認めたくない。」
「じゃあ、もう一度やり直すしかないんじゃないか？」
「もう遅いよ。」
「やってみないと分からないだろ。」
「無理だよ。」
「どうして？」
「だって、こんなに汚れてるんだから。」
「別に汚くなんて無いだろ。」
「だって、僕は、皆に嫌われていたんだ。」
「でも、これからは違うかもしれないだろ？」
「でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、でも、」
「デーモン死ね」
俺は少年を倒した。―――完―――
魔王は死んだが、水虫は治らなかった。
今日も俺は仕事帰りに薬局で薬を買って帰った。
そして、家に帰ると、すぐに薬を塗った。
すると、俺の足の裏に激痛が走った。
見ると、俺の足の裏に巨大なウジが湧いていた。
俺は慌てて靴下を脱ぎ捨てると、足に付いたウジを払い落とした。
そして、足に水をぶっかけて洗い流した。
足は綺麗になったが、俺の足はジンジンと痛みを発している。俺は足の指で床を掴むと、力を込めて立ち上がった。
そして、洗面所に向かった。
洗面台に手をつき、鏡を見ると、俺の顔は真っ青になっていた。
俺は蛇口を捻り、冷たい水で顔を冷やす。
俺は落ち着くと、部屋に戻りベッドに寝転がった。
すると、部屋の扉をノックする音が聞こえた。
俺は起き上がると、ドアを開けた。
そこには、見覚えのある女がいた。その女は俺が以前働いていた会社の上司だ。俺は驚いて目を見開いた。
彼女は俺の表情を見て、「久しぶりだね。元気にしてた？」と言った。
俺は動揺して、「はい。」と答えた。
彼女は俺の部屋に入ると、「これあげる。」と言って、小さな箱を手渡してきた。
俺は困惑しながら、それを受け取ると、「なんですか？これは。」と聞いた。
「チョコレートケーキだよ。甘い物好きでしょ？最近頑張っていたみたいだし、ご褒美。」
俺は戸惑いながらも、「ありがとうございます。」と言うと、それを受け取った。
「どういたしまして。ところで、最近何か変わったことは無かった？」
「特に何も無かったですけど・・・。」と言いながら、貰ったばかりのチョコを見た瞬間、「あっ！」と思わず大きな声が出た。「どうかした？」という彼女の言葉を聞き流し、急いで冷蔵庫に向かうと中を確認した。中には大量の酒瓶が入っていた。しかし、それは昨日までは無かったものだ。俺は恐る恐る後ろを振り返ると、彼女がニコニコしていた。俺は全身から血の気が引くのを感じた。「ねえ、それってどういう意味？」
「いや、あの、これには深い訳がありまして・・・。」
「どんな理由があるの？」
「えっと、それはですね・・・。」
「答えられないの？」
