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431 光の精霊王さんのところへ行こう

「ごちしょうしゃまでちた」
月花ちゃんに奪われそうになりながらも、プリンうまうま♪と、食べ終わりました。なので、

「むすびはしゃま~」
よろしくお願いします。
『はぁい。行きましょうかぁ』
バンザイして抱っこ!のポーズをすると、ひょいっと結葉様に抱っこされて、向かった先は⋯

しくしくしくしく⋯
はい。光の精霊王様のとこです。

『光ちゃんたら、もう~。そんなジメジメしてたらコケ生えちゃうわよぉ?ほらぁ、泣き止んで。サーヤが来たわよぉ』
光の精霊王様のコケ?やっぱり光るのかな?ヒカリゴケってあったよね?
『サーヤ?何考えてるのぉ?』
なんですか?結葉様?眉毛が片っぽあがってますよ?ちょっと思っただけですよ?こほん。

「ひかりにょしぇいれいおうしゃま?おまたちぇちまちた。ごめしゃい?」
まだなにか言いたそうなお顔の結葉様に降ろしてもらって、しくしくしてる光の精霊王様のお顔を覗きこみます。

『愛し子様⋯』
「ぶー。ちあうにょ。さーやにゃにょ」
言わなかったっけ?
『で、ではサーヤさ⋯』
「さーや!」
『え、あの?』
「ぶー」チッチッチッ
んも~ぉ。だめだめ~。サーヤはお子ちゃまだから、偉くないんだよ?様は、だめだめ~。

『うふふ。サーヤちゃんの指振れてませんわぁ。⋯ではなくてですね。サーヤちゃんですわ。お姉様』
『上手に指が立てられてないのもかわいいにゃ。⋯じゃなくて、そうにゃ!サーヤちゃんか、呼び捨ての二択にゃ!』
アイナ様とニャーニャにゃんがすごい勢いで光の精霊王様に教えてくれます。でも、最初の方、聞こえなかったな。

『え?え?ちゃん?でも⋯』
アイナ様とニャーニャにゃん、ちゃんだって別にいらな⋯
『『ちゃんの方がかわいい(にゃ!)ですわ!』』
そ、そう?そんな握りこぶし作って言わなくてもいいんじゃ?

『で、では、サーヤちゃん』
光の精霊王もサーヤちゃんですか?
「あい!ぷりん、たべちゃ?」
仕方ないですねぇ。ちゃんでもいいよ。
『あ、申し訳ありません。まだ⋯』
やっぱり?美味しいのにぃ。あっ。これだね。テーブルにつかまって背伸びしたら、見えました。


ひそひそ
『あ~。サーヤちゃんの全身がプルプルしてますわぁ』
ひそひそ
『テーブルに指先しか引っかかってないにゃ』
『『可愛い(にゃ~)ですわ~』』
アイナ様とニャーニャにゃんがひそひそ悶えてます。


アイナ様?ニャーニャにゃん?なんか変な視線を感じて、チロってアイナ様のお顔を見ると、

『はいですわ。サーヤちゃん。こちら、どうぞ』にっこり(危なかったですわ)
「あいがちょ!」
さすがです!分かってますね!光の精霊王様のプリンとスプーンを取ってくれました!
でも、なんか、寸前までお顔変じゃなかった?ま、いっか~?

「あい。あ~ん、ちて?」
プリンをスプーンですくって、光の精霊王様に、はい!ぷるぷるぷる。
『え?』


ひそひそ
『サーヤちゃん、おてて伸ばしすぎて』
ひそひそ
『ぷるぷるしてるにゃね~』
『いや~ん。可愛いですわ~』
『あれが、萌えと言うやつかにゃ?』
『どうでしょうか?』
ピンクの子うさぎのもえちゃんに、萌の存在を聞いていたニャーニャにゃんとアイナ様。 これが萌?と、なんだか嬉しそうです。


「あ~ん」
はやく~。ぷるぷるしちゃうよ~
『え?え?』
このような可愛い幼子(おさなご)が、私に?
「あ~ん、ちないにょ?」
しょぼん⋯
『あ、あ、いただきますですわ』
可愛い可愛い幼子のおててから食べられるなんて!
「あい!あ~ん」
よかった!にこにこ
『あ、あ~ん』
嗚呼っ!こんな幸せなことが!ぱくっ
「おいち?」
どうどう?
『お、おいしいですわ!』
可愛い可愛い可愛い幼子からの「あ~ん」幸せすぎますわぁ♪


ひそひそ
『ご主人、しまったにゃ』
ひそひそ
『ええ、ニャーニャ。失敗しましたわね。お姉様のあのお顔⋯』
『煩悩だだ漏れにゃ~』
『ああ、サーヤちゃんが簡単に騙されてますわぁ』
『『サーヤちゃん、気づいて(にゃ!)くださいませ!』』


「でちょ?ぷりん、おいち♪」
うんうん。そうでしょ?おいしいよね!泣いてた光の精霊王様をニコニコにしちゃうなんて、やっぱりプリンはお流石です!


ひそひそ
『あ~。サーヤちゃん、ニコニコにゃ~』
ひそひそ
『ダメですわぁ。まったく気づいてませんわ』
『サーヤちゃん、素直すぎにゃ!』
『『はやくあの胡散臭さい笑顔に気づいて(にゃ!)下さいませ!』』
光の精霊王様、酷い言われようです。


『こんな美味しいの初めてですわ。幸せですわ!』
しかも、あ~んで食べさせてもらえるなんて!
「でちょ~?もっちょたべりゅ?あい。あ~⋯」
『あ~⋯』
嗚呼、しあわ⋯
〖ダメよっ!〗
ひょいっ!むぎゅうう!
「んにゅう!?」
こ、このパターンは!
『んんっ?』
ああっ!私のしわあせがぁっ!
『『ああっ!』』
プリンがっ!

〖ダメよダメよ!酷いわサーヤ!私だってまだサーヤに「あ~ん」してもらったことないのに!私だってサーヤに「あ~ん」ってしてもらいたいのにぃ〗
いやんいやんっ むぎゅううう
「くえっ」
ジ、ジーニしゃま、久々の強烈むぎゅー攻撃!く、くるち!ジーニ様のけしからんお胸は凶器!さーやの中身出ちゃう~。だ、だりぇか~
「た、たちゅけ⋯」中身が~
しゅぽんっ!
「ぷはーっ」
た、たしゅかった⋯ぜーぜー

『んもう!ジーニ様ったら毎回毎回サーヤが窒息しちゃうでしょ~。だめじゃないのぉ』
この柔らかいけしからんお胸は、やっぱり結葉様!
「あいがちょ~」ぽふぽふ
『いいのよぉ~』
いつもありがとうございます。ぽふん。このお胸は安全です。

〖あ~ん!サーヤ~〗
ジーニ様が迫ってきたけど、結葉様がひょいってかわしてくれます。
『ダメよぉ。今は光ちゃんの番でしょ~。ジーニ様は後でやってもらいなさい』
〖そんなぁ〗
『〖そんなぁ〗じゃないでしょ~?』
結葉様がジーニ様を、めっ!ってしてくれます。


『ア、アイナ⋯』
『はい?お姉様、どうされましたか?』
まあ、言いたいことは、お姉様のその驚いたお顔を拝見すれば想像できますけれど。そんなに目を開きっぱなしになさると乾きますわよ?
『わ、私は幻を見ているのかしら?それとも、目がおかしくなってしまったのかしら?お母様が、あの、お母様が、ま、まともに見えますわ』
やはり、そうお思いになりますよね。
『いいえ。お姉様、見間違いでも幻でもございませんわ。あれは正真正銘、お母様ですわ』
信じ難いでしょうけれど⋯私は苦笑いしながらお姉様にお話するしかございません。
『う、嘘ですわ⋯そんなこと有り得るわけが⋯』
分かります。分かりますわ。そのお気持ち⋯
『なぜ、お母様はサーヤちゃんだけにはまともなのでしょうね?』
『ほんとにゃね~』
『⋯⋯⋯』
お姉様、ついに言葉が出なくなってしまわれましたわ⋯
『⋯あの十分の一も、私たちにはまともじゃなかったですわよね?』
『なかったにゃね~』
『なかったですわね』
『『『⋯⋯⋯』』』
いけませんわ。つい、昔を思い出して涙が⋯あら?ニャーニャも、お姉様まで⋯


〖サーヤ~〗
もう!ダメだよ!
『ジーニ様?だめよぉ』
そうだよね?
「じーにしゃま?あちょでにぇ」
仕方ないですね~。もう。
〖ううっ分かったわぁ。絶対よ?〗
うるうる
「あ、あい」
そんなに?泣くほど?

あっ、そう言えばプリン⋯持ってたはずのプリンがない!あわててキョロキョロすると

『美味しいですわ~。ぐすっ。初めての食感ですわ~』
『そうですわよね。無駄にはできませんわよね?今度こそ、ちゃ・ん・と!味わってくださいませね?』
あれ?食べてる??アイナ様?今度こそって?それに、光の精霊王様、泣きながら食べてる?そんな泣くほど美味しかった?

『安心してにゃ!プリンはさっき救出したにゃ!サーヤちゃんの安全も確保にゃ!』
い、いつの間に!ん?サーヤの安全って、なに?
『気にしたら負けにゃ!』
ま、負けなの?なにに?わかんない事だらけです。じゃあ
「にゃいてりゅ、どちて?」
『それはにゃ、いろいろあるんだにゃ』キラリ
ニャ、ニャーニャにゃんまで涙が?大丈夫?


しゃがんだまま、プリンをむさぼ⋯けふっ。食べる光の精霊王様。誰も取ったりしな⋯?ん~?⋯ハッ!

「げっかちゃん!めっ!」
テーブルの上にある光の精霊王様のおかわりに、いつの間にか空中から伸びるおててが!
『ちっ』
ちっ。じゃないよね?誰か月花ちゃん見張ってて?

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