k-67
ふう。俺は布団に入って仰向けになりながら考える。足元のアッシュはスピースピーと寝息を立てている。
俺が考え事をするのは大抵布団に入って目を閉じてからだ。
今のところ取り立てて生活面では問題はない。
一つ不安があるとすれば、モンスターの存在だが、こればかりは気にしても仕様がない。町に住めば安全性は増すかもしれないが、『しがらみ』が増え自由が無くなる。
それは嫌だ。
大体、モンスターなど、どこまで強い存在がいるのかわかったものではない。
もしRPGなどでよく出てくる『ドラゴン』にでも襲われたとしたら、100%死ねる自信がある。なので、気にしても仕方がない。地道に訓練を積むだけだ。
新しく取得するスキルも、考えないといけない。今度こそ魔法取得を目指すのか、あるいは今までの延長線上のスキルを取得するのか。
先日、魔法使いが竜巻で大蛇を倒したのを見た。もし、あれが使えるようになれば、サバイバルの難易度もぐっと下がるだろう。
そんなに都合良く行くとは、とても思えないが。それと、一つ気がついたことがある。
どうやら俺は鍛冶の技術が秀でているようだ。マルゴのような熟練の職人でも、属性付与の技術をもっていないのが良い証拠である。ポーション作成などの錬金術についてもそうだ。
毒味という危険極まりない作業を伴うが、鑑定スキルから派生しての鍛冶、錬金術にはとても助けられている。鍛冶と錬金術を極めることが、生きていくことへの近道かもしれない。
もう一つ気になるのは、マルゴ、ジュノ、サラサの関係性である。
俺には、見守ることくらいしかできない。なのでこれも気にしても仕方がない。
そのような、とりとめもないことをツラツラと考えていたら、いつの間にか俺は眠りに落ちていた。
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