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309章 ビジネスパートナー

 ミライは頭を下げる。

「アカネさん、本当にありがとうございました。水、バナナもらえたおかげで、生き延びることができました」

 水、食料を体に取り入れることで、人間は生命を維持できる。2つは生活に必要不可欠といえる。

 ハルキは明るめの声を出す。ペットを飼えるとわかったことで、希望を持ったと思われる。

「アカネさんはバナナを生み出すことができるんですね。食べ物を生み出せるとは思いませんでした」

「バナナを生み出すのは、一時的な能力だよ。今は使えなくなっている」

 復興後に試したものの、バナナは出現しなかった。付与した能力を消せないといっていたのは、真実ではなかったようだ。

 ハルキは深々と頭を下げる。

「木材についても、ありがとうございました。木材のおかげで、家を建て直すことができました」

 ペットショップは、かなり古い木をつかっていた。巨大地震の前では、ひとたまりもなかったと思われる。

「アカネさん、水、木材をどのようにして準備したんですか?」

「セカンドライフの街」は資源に乏しく、水、木材の予備は少なめだ。緊急時になったときは、援助してもらわなければならない。

「ソラさんという女性から、水、木材を分けてもらったの。あちらの世界は、水、木材の宝庫な
ので、喜んで協力してくれた」

 木材も本当に助かった。木をプレゼントされていなかったら、ほとんどの住民はホームレス生活を送っていた。

「アカネさんはいろいろな方と交流しているんですね」

 ハルキの言葉に、アカネは首を横に振った。

「交流しているというよりは、仕事仲間といった感じだよ」

 仕事でつながっているのであって、親しくしているわけではない。ゴッドサマー、ソラはビジ
ネスパートナーであり、それ以上の関係には当たらない。

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