307章 ハルキがどんより
ハルキがどんよりとする理由を考える。
最初に思いついたのは、子供の死去である。大切な子供を失ったことにより、生きる希望を失うのはありえると思った。
2番目に考えたのは、母親の死去。大切なおかあさんを失った場合についても、大きな傷を負うことになる。
3番目に考えられるのは、きょうだいの死去である。今回の地震で、フタバ、ミライに何かあったのだろうか。
アカネは知恵をふりしぼろうとするも、他の案は思いつかなかった。ハルキの周辺において、どのようなことがあったのだろうか。
ハルキに理由を聞けば理由は分かるけど、現状はそっとしておいたほうがいいと思った。理由を話したいと思うようになるまで、じっくりと待ったほうがいい。
家の扉を、とんとんされる音がする。ハルキに目線で合図を送ると、彼女は小さく頷いた。
アカネは扉を開けると、ミライが立っていた。彼女の姿を見たことで、ミライ死亡説は完全に間違っていたのを知った。
「アカネさん、ハルキはいませんか?」
「うん。やってきているよ」
「ハルキと話をしたいので、中に入らせていただきます」
ミライは家の中に入っていった。