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「………その日から僕は、女子からも避けられるようになっちゃったんです。」


昭恵さんの事件があってから3日後。

僕は、この話を菜摘さんに聞いてもらった。


「……隼くんがその子のために罪を着るのは、正しいことだったのかな…?」

菜摘さんの言いたいことは痛いほど分かっている。

何の解決にもなっていないどころか、味をしめた田中くんたちがまた同じことをやり出す可能性もある。


「……次の日、担任の先生に本当のことを話したんです。だけど当然のように信用してもらえなくて……。むしろ、先生は僕が話したことを田中くんたちに言っちゃったんです。だから田中くんたちからも責められて、余計に状況が悪化しました。」

「ええ、そんな先生いるの?!おかしいでしょ……。ねえ隼くん、その先生が担任のままでいいの?親とか校長先生とかに相談しないの?」

「……親には相談したくないです……けど…もし相談したら、何か変わるんですかね……」

「私がもし隼くんのお母さんだったら、徹底的にその学校や担任を訴えるよ!そして転校させる!当たり前でしょ?」

「……そうですよね……」

菜摘さんの言う通り、家族に話したら僕はこの学校から抜け出せるのかもしれない。

だけど、すごく心配をかけてしまうだろう。


今思うと菜摘さんの言うことが全面的に正しいと感じるのだが、当時の僕は、何故か頑なに家族や他の先生にいじめのことを話さなかった。

とにかく現状を変えるということが、当時の狭い社会しか知らない僕にとっては非常に怖かったのである。

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