265章 肉の在庫がなくなる
アカネはテオスの元に駆け寄った。
「テオスさん、容態はどうですか?」
「急激に衰えているのを感じます」
テオスの様子を見ていると、祖母の天国行きと重なる。何の前触れもなく体が衰え、還らぬ人となってしまった。
あのときは無料だったけど、今は魔法を使うことができる。適切に使用することで、テオスの体を守っていきたい。
「テオスさん、今日はゆっくりと休んでください」
「アカネさんの心遣いに、心より感謝します」
「テオスさん、食事を準備します」
「アカネさん、ありがとうございます」
フライパンの上に鶏肉を乗せると、自動で加熱を始める。ゆっくりと待っていれば、出来立てほやほやの肉を食べられる。
肉が焼きあがると、白い器に盛った。
「テオスさん、牛肉が焼けました」
「アカネさん、ありがとうございます」
テオスは目の前の肉を、勢いよく食べていた。肩で息をしていたのが、嘘のように感じられた。
「テオス様、すさまじい食欲ですね」
「こちらの肉は、最高においしいです」
500グラムの肉は、あっという間になくなってしまった。
「アカネさん、おかわりはありますか?」
冷蔵庫の中を見ると、「セカンド牛+++++」はなくなっていた。
「在庫がないみたいです。肉屋さんで、新しいものを購入します」
肉の購入準備をしていると、空から声をかけられた。
「アカネさん、私も食べてみたいです」
テオス、ソラを合わせると、100人前の「セカンド牛+++++」が必要になりそうだ。ポケットマネーで、50キロぐらいの肉を購入しよう。
「肉を購入してきますので、しばらくお待ちください」
瞬間移動の力で、大幅に時間を短縮できる。15分もあれば、こちらに戻ってこられるのではなかろうか。
「テオス様とお待ちしています」
アカネは瞬間移動を利用して、肉屋に向かった。