253章 日常を取り戻す
感染源がなくなると、疫病は急激に終息する。3日後には、何事もなかったかのように、街は平和を取り戻す。
魔法を使用したからこそ、病原菌をすぐに消すことができた。超能力がなかったら、5年、10年にわたって苦しみ続けたと思われる。異次元の能力というのは、困難な問題を簡単に解決できる。
感染源がなくなったのを確認すると、ココア、シオリは家に戻っていく。子供と顔を合わせていなかったこともあって、子の温もりを求めているように感じられた。子供に対する愛情を見て、ほっこりとした気分になった。
アカネは特定のパートナーがおらず、妊娠をできる状態にない。子供の顔を見られるのは、かなり先になりそうだ。
アカネは手を貸してくれた者に、感謝の気持ちを伝える。
「テオスさん、ありがとうございました」
「どういたしまして」
ディーオに対しても、お礼の気持ちを伝える。
「ディーオさん、ありがとうございました」
ディーオからもたらされた水は、住民の生活に大きな恩恵をもたらす。これがなかったら、どうなっていたのかわからない。
「アカネさんのためなら、喜んで協力させていただきます」
社会人で仕事をしていたとき、こんなにいい返事をされることはなかった。メリットをもたらす能力を手に入れたことで、いろいろなことがスムーズに行くようになった。どんな時代であっても、相手のプラスになるのは大切だ。