251章 水を要請
「テオスさん、水は余っていませんか?」
テオスは不意を突かれたのか、声が淀んでいた。
「水ですか?」
「はい。飲み水をお願いしたいです」
生活の基盤になるといわれるほど、水の重要性は高い。これがなかったら、人間がひからびることになる。
テオスは険しい表情になった。
「水に余裕はないので、住民の飲み水を準備することはできません。お役に立てずに、申し訳ありません」
水をどのように工面しようかなと考えていると、テオスが口を開いた。
「水が必要でしたら、サクラトウにお願いしようと思います」
「サクラトウ?」
「はい。水の宝庫と呼ばれている島です。こちらなら、飲み水を確保できるでしょう」
「テオスさん、ありがとうございます」
テオスはスマートフォンより、さらに小さい機種を取り出す。
「サクラトウのトップを呼びます。しばらくお待ちください」
サクラトウにどれくらいの水があるのかな。量が少なかったときは、新しい確保先を見つける必要がある。