249章 援軍
テオスの呼んだ援軍は、20分ほどでやってきた。
「テオス様、どうかしたんですか?」
テオスはいつもよりも、強い口調で命令する。
「アカネさんの住民が苦しんでいます。力になってあげてください」
「テオス様、何をすればいいんですか?」
「住民の経過観察をお願いします」
「どのようにすればよろしいのでしょうか?」
アカネは健康状態をチェックできる、モニターを表示する。
「こちらを見ることで、住民の健康状態をチェックできます。異常があった場合は、ブザーが鳴るようになっています」
ココアは表示されたモニターに、目が点になっていた。
「アカネさん、そんなことができるんですか?」
「うん。やろうと思えばできるよ」
住民のプライバシー侵害になるので、これまではやってこなかった。
ブザーが鳴っていないのに、テオスの部下から声をかけられる。
「アカネさん、窃盗を企んでいる者がいます」
住民が弱り切っているところを、狙い撃ちにするなんて。人間としてあるまじき行為である。
こんなことをするのなら、病気を治さなければよかった。
「お金を盗みました」
窃盗の確証をつかむと、犯人を牢獄に送り込む。盗まれたお金については、持ち主に返すようにした。
「アカネさん、何をしたんですか?」
シオリの質問に、わかりやすく答えた。
「犯人を牢獄に送り込んだよ」
テオスは能力に対して、きょとんとした表情を見せる。
「他人をワープさせることもできるんですか?」
「はい。死者を復活させる、水を生み出す、食べ物を生み出す、物を生み出す、血液を作ること
はできないけど、他のことはできますよ」
「アカネさんはすごいですね」
話をするよりも、住民の生活を支えるのを優先したい。
「スーパーで、水、食料を調達してきます」
食べ物料金として、100億ゴールドを準備する。これだけの金額があれば、全住民に食料を配ることができる。
「テオスさんも、ついてきていただけますか?
「わかりました。アカネさんにお供します」
「他の方については、住民の経過観察をお願いします」
「わかりました。アカネ様の住民をお守りいたします」
歩いていくとかなりの時間を要する。瞬間魔法を使用して、スーパーに向かった。