k-31
――一人では到底勝てる相手ではなかった。
しかし、誰かと力を合わせれば、不可能と思われる困難も乗り越えていける。俺は、この命のやり取りで実感した。
俺たち三人は拳をガチリとあわせ、やったなと笑顔でお互いの背中をバンバンと叩いた。
◇◇◇
俺たち三人はその場でコカトリスを解体した。
コカトリスは目、嘴、爪、羽、肉、毒腺、魔核、に解体することができた。肉は毒で汚染されているので捨てた。
俺は石化の視線攻撃をしてきた、目を鑑定してみると、【コカトリスの目:石化属性付与の素材】と出た。
毒腺を鑑定してみると【コカトリスの毒腺】とだけ出た。
肉も鑑定してみたが、かなり美味いと出ただけだった。食ってみたいが。
とりあえず、コカトリスの素材は俺の家に持ち帰った。
家に戻ると、サラサが食事の支度をして待っていてくれた。サラサには小屋の中にあるものは何でも使って調理して良いと言ってあった。
丁度今朝狩ったシカ肉があったので、新鮮なレバーを刺身で食べるのと、シカステーキ、後はサラダとシカの骨で出汁をとったスープを作っていてくれた。
腹がグーっと鳴る。それから、皆で遅い昼食を食べた。
◇◇◇
後から聞いた話だと、あのコカトリスはこの辺りで出るようなモンスターではなく、森の中のダンジョンで出るような、高レベルのモンスターだそうだ。
稀にダンジョンから、モンスターが溢れ出すことはあるが、それも滅多にないとのこと。
ダンジョンの調査、冒険者ギルドや町の責任者に報告が必要であると三人は話しているようだった。
それはさておき、コカトリスの素材の分配である。
俺は目と毒腺を希望した。なぜなら、新しい毒が調合できるかもしれないし、目は武器に新たな効果を付与できる可能性があるからだ。
残りの爪、嘴、羽、魔核はマルゴとジュノに譲った。
嘴はコカトリス討伐の証になるらしく、マルゴが代表して、報告、討伐報酬とポイントはそれぞれ三等分することにした。