37章 相談
「ミサキさん、31人前の焼きそばはいけそうですか?」
「いけるような、いけないような・・・・・・」
20人前を食べられたのだから、31人前を食べられないことはないと思われる。
「体に異変を感じたら、食べるのをストップしてくださいね」
「お客様が注文されたので・・・・・・」
「お客様を満足させるより、ミサキさんの体調が重要です」
シノブは従業員の体調を最優先に考える。人間を雇っているものとして、理想の鏡といえる人物である。
「ミサキさんに対する注文は、一定数になった時点でストップします。制限を設けないと、100人前、200人前を食べることになりかねません」
昨日は20、今日は31である。このペースで増え続けると、7日目あたりで100人前に到達する。大食いできる体だとしても、100人前の焼きそばは無理だ。
「焼きそばを作るので、おしぼりなどをお願いします」
「わかりました」
31人前の焼きそばを食べる。ミサキの脳内は、そのことで埋め尽くされていた。