ある日のめーめー日記(お母さんVer.)番外編
なにかしら?体がムズムズするわ。おかしいわね?
何かおかしいと思いながら目覚めると……
あらヤダ。これ冬毛かしら?昨日まで夏毛だったと思うのだけど?周りを見渡すと…
『あらヤダわ。みんな冬毛になってるわ』
見渡すと、私たち羊だけでなく、うさぎやオコジョも冬毛に。牛は…分からないわ。
『あらあら。オコジョとうさぎは毛色が変わってるじゃない』
雪に同化する白になっているわ。昨日雪で遊んだからかしら?
でも、どういうわけか、うさぎのもえだけピンクのままね?
オコジョのちーもよく見るとクリーム色かしら?他はみんな真っ白なのに。謎ね?
とりあえず、みんなを起こしましょう。それで、ご主人に相談しないと。だってこれじゃあ…
『動けないわよね~?』
まるで真ん丸な大きな毛玉だわ。
この間この状況になった時は夏毛だったから、ご主人はなんとか借り物のナイフで刈ってたけど、今度はそうもいかないんじゃないかしら?そういえば、サーヤのサマーニットを編むとか言ってたけど、どうしたかしらね?
いえいえ、それより今は
『さあ、みんな起きて!大変よ』
みんなを起こさないとね。
『ん~おはよう~ルーママどうしたの?』
『なんだ?どうした?』
みんな、まだ気づかないのね~
『おはよう。みんな。早速だけど、自分たちを見てみて?ほら、子供たちも』
『『え?』』
『『またかーっ』』
大人たちが先に騒ぎだしたから、子供たちも起き出したわね。さあ、どうなるかしら?
『ん~ねむいぴょん』
『自分たちの?』
『体···?』
『『『うきゃ~!?』』』
『ま、またまんまるぴょん!?』
『メメメメメ~?』
『ラムちゃん、おちつくじょ!』
女の子たちは起きたわね~。男の子たちはダメね~。これだけ周りが騒いでるのにピクリともしないわね。
『ほら、坊やたちも起きなさい』
起きた母親たちと、まだ寝てる子達をつついて起こすと
『ん~め~』
『まだ早いぴょん~』
『まだねるじょ~』
まだ、寝ぼけてるわね~
『ほら、早く起きて、周りと自分を見てみなさい』
『まわりぴょん?』
『め~、じぶん?』
『なんでだじょ?』
『『『…………』』』
『『『わ、わ~あああ』』』
『まん丸おばけぴょん!』
『めめめ~こっちも~!』
『わ~あっちもだじょ~!』
お化けですって?失礼ね。でも、確かに大人たちは子供の比じゃないわね。顔がどこかも怪しいわ。
『まん丸は自分たちもよ』
『めめっ!?』
『ぴゃ!?』
『ほんとだじょ!?』
やっと気づいたのね?
『まあ、そんな訳だから、ご主人に相談しましょう』
『そうねぇ。この間の夏毛まん丸の時とは事情が違うわ』
『そうね。まさか一日で冬毛になるなんて、重くて動けないわ』
みんなでめーめー話してると、
『なんだ?どうし……たあぁぁぁあ!?またか!?』
ご主人が来てさっそく、驚いた。
『そうなの。ご主人、どうにかしてくれないかしら?』
『今回は冬毛らしくて』
『重くて動けないのよ~』
でも、不思議と暑かったり寒かったりは感じないのよね?これも謎だわ~
『え?雪で遊んだからか?寒さに触発されたのか?なんにしろ、ちょっと触らせてもらうぞ』
どうぞどうぞ。お願いするわ。
『うわぁ。すげえな。こりゃ、うさぎとオコジョはともかく、羊は無理そうだな。しまったよなぁ、おれのバリカンとハサミは置いてきちまったからなぁ』
ボリボリ頭をかくご主人。仕方ない。ご主人はサーヤのおばあちゃんの荷物だけで手一杯だったもの。私たちを連れてきてくれただけでも十分だわ。
『とりあえず、うさぎ達と子供たちだけでも、どうにかならないかしら?』
『そうだな。子供たちからでいいか?んじゃ、アイナ様にまたナイフ借りてくるから待っててくれ』
『よろしくね』
しばらくすると、ご主人だけじゃなくて、みんなが見に来た。
『待たせたな』
「ふわああああ!もふもふ!もふもふ~!」たたたっ
あっ
『あっおバカ!サーヤ!』
ぼっっ!ふ~ん!
「うきゃああああ?」
ぽ~~んっ
『め~』
あああっサーヤがまた飛んじゃったわ!
『ハク!』
『まかせて~!よいしょ!』
ばふんっ!
しーん……
「う、うにゅ?」ぱちくり
『も~サーヤ~この間も、めーめーさんで飛んだんだよ~?』
『ほんとだよ。まったく。しかも弾力が前回と桁違いだからなぁ』
「うにゅう。ごめしゃい…」
びっくりしたわね~
『め~。サーヤ、子供たちなら大丈夫。あと、オコジョとうさぎなら平気じゃないかしら』
『『そうね』』
『『『サーヤ~』』』
『『『もふもふだよ~』』』
「あい。ふわ~あああ!もふもふ~!」
ふふ。あいかわらずね~。あら?あの目をキラキラさせてるのは
『雪の精霊さん、昨日は子供たちが遊んでもらって、ありがとうございます』
『え?』ビクッ
あら、ビクッとされてしまったわ。急に声をかけたからかしら、驚かせてしまったわね。
『ううん。私の方こそ楽しませてもらった。ありがとう』ちらちら
ふふ。うずうずしてるわね。
『どうぞ?触ってもらって大丈夫ですよ』
『い、いいの?』
あらあら、目を見開いてキラキラだわ。
『ええ。もちろん』
『じゃ、じゃあ』
そっと、触って来て、すぐ抱きついてきたわ。
『ふわあ~あああ。もふもふ~!』
うん。まちがいないわ。この方、サーヤと同類だわ。
『ほんと、これは凄いですわ!ニャーニャとはまた違うもふもふですわね』
『ぽぽちゃんとも違うにゃ~気持ちいいにゃ~』
あら?あちらにもいたわね。地の精霊王アイナ様と眷属のニャーニャ様ね。
『それで、アイナ様、どうかな?アイナ様が持ってる道具でハサミとかバリカン…刈り上げるようなもんはないかな?』
ご主人が借りたナイフはアイナ様がドワーフに護身用にこの位持ってけ!と、持たされた物だと言ってたから、難しいかしらね?
『そ、そうでしたわね。コホン。申し訳ありませんが、あのナイフが手持ちの中で一番の物でしたの。あれ以上の物となると』
『親方に来てもらうしかないんじゃないかにゃ~』
『そうですわよね』
やっぱり。
『そうか…どうするかな~』
『『『う~ん』』』
どうしましょう。ほんとに…動けないわぁ。
〖もうこれは、呼んでくるしかないんじゃないかしら?〗
ジーニ様が私を撫でながらおっしゃったわ。
『ジーニ様。よろしいのですか?』
〖どの道、ドワーフには来てもらわないといけなかったわけだし。それに、親方以上の人材なんてそういないでしょ?〗
アイナ様とニャーニャ様は一瞬悩まれたようだったけど、
『そうですわね。めーめーさんをこのままにする訳にもいかないですしね』
『そうにゃね。今から行ってくるようかにゃ』
なんだか、申し訳ないけど
『め~。よろしくお願いします』
『めーめーさん、お気になさらないでくださいませ。直ぐに呼んできますわ』
『そうにゃ!任せるにゃ!』
この世界の方は良い方ばかりだわ。
『悪いな。アイナ様、ニャーニャ。頼むよ』
『お任せくださいませ』
『行ってくるにゃ!ココロ、お留守番できるかにゃ?』
『いい子で待っててくださいませね。すぐに親方に会えますわ』
みゃ~『わかったにゃ!待ってるにゃ!』
『ココロのことは任せてくれ』
ご主人がおかえしだという顔でニヤッと笑ってるわ。こういうところ、子供っぽいのよね。
『それでは行って参りますですわ』
『行ってきますにゃ!』
『行ってらっしゃぁい』
〖頼むわね〗
アイナ様の肩にニャーニャ様が座ると、お二人は光とともに消えてしまったわ。凄いわね。
『そんじゃ、借りたナイフでチビからやるか!』
『『『は~い』』』
『『『おねが~い』』』
子供たちが遊びたいのか、早くやってほしそうね。
きゅるる『私も手伝うわ~。うふふ。素晴らしいわ~。たくさん欲しいわね~。サーヤたちのお洋服いっぱい作りたいわ~』
絹さんが楽しそうね。でも、分かるわ。この世界に来てから私たちの毛は凄いもの。とっても上質な毛糸が出来るわ。
『もっとほしいぴょん?』
『め~。サーヤのおようふくになる?』
『まだたりないじょ?』
きゅるる『そうね~。でも、多く欲しくても自分たちで増やせるわけじゃないから、また次の時ね』
絹さんがそう言ってくれたのに、子供たち、何か相談し始めたわね。
『め~。なんかね~』
『わたしたち』
『できる気がするぴょん♪』
『『『ぼくたちも~♪』』』
しーん……
『はい?』
この子達は何を言ってるのかしら?
『『『やってみる~』』』
『『『見てて~♪』』』
な、何を始める気かしら?
『お、おい?』
きゅるる『え?ちょっと?』
「みんにゃ?」
ご主人たちも焦りだしたわ。
『『『んんん~~♪』』』
『『『ふんふんふん♪』』』
な、何?おしり振って踊り出したわよ?
『『『ふりふりふりふり♪』』』
『『『よいしょ~!』』』
ぼふんっ
『『『わ~あぁぁ』』』ころんころん
『『『おこして~えぇぇ』』』ころんころん
はい?
『「ふわあ~あああっ!もふもふ!もふもふ!もふもふ~!」』
サーヤと雪の精霊さんがハモったわね。あっ飛びついたわ。
『「もふもふ!もふもふ~」』
ああ、ぞんぶんにもふってるわね~
『ど、どうなってんだ?こりゃ?』
きゅるる『さ、さあ?』
〖毛が倍に膨れ上がって足がつかなくなったってこと?〗
『ちょっとぉ。転がってるわよ~?助けなくていいのぉ?』
結葉様の言葉でみんなが動き出したわ。
『うわぁ!そうだった』
きゅるる『大変大変』
〖もう!無茶しないのよ!〗
『『『『ごめんなさ~い』』』』
あら?四匹?
『「もふもふもふもふ!もふもふ~!」』
あらら、もえとラムがあそこに…
『たすけてぴょ~ん』
『めめめめめ~』
あらあら。
『「もふもふ~!」』
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
番外編だけど、本編にちょっと関わる感じになっちゃいました(;^ω^)