273 こ、これは!
お楽しみの時間だよ~♪
いよいよ、かまくらです!
おいちゃんが頑張って大きく作ってくれたかまくらはすごかったです。ジーニ様がまたお部屋広くしてくれたのかな?そして、更に驚いたのは
「こ、こたちゅ?」
そう!変わった形のコタツが!
あれ?よく見ると変わった形じゃなくて、長方形のコタツが四角く並べられているみたいです。漢字の口みたいな形だから、中側にも座れます。たくさん座れます。座れるけど、
「い、いちゅのまに?」
いつ作ったの?だって、お布団とか
『ん?サーヤたちが遊んでる間にな?トレちゃん達も手伝ってくれたんだよ。それで、絹さんがすごい勢いで、敷物とコタツの布団作ってくれたんだよ』
そんなに短時間で、なんか遊んでてごめんなさい?
「きぬしゃん、トレちゃん、あいがちょ」
これは、お礼言わないとバチが…
『だいじょうぶ。きにしない』と、トレちゃんがわさわさ。
きゅるる『わたしも楽しかったから大丈夫よ。それより座ってみて。面白いわよ』
うん。コタツだからね。
そう思っていると、ちびっ子より先に
〖あ~何これぇ~〗
ジーニ様が…溶けてる。
肩までコタツに入って?コタツ布団被って?天板にお顔スリスリしてます。
〖あ~これは、ダメよ、ダメになるやつだわぁ~〗
うんうん。そうだよね。取り憑かれちゃったんだね。こたつに
〖お、お母様?はしたないで……あ~〗
溶けてるジーニ様を注意しながらコタツに入ったシア様。その瞬間シア様まで…
〖ダメです。これは、お父様には知られてはいけないものです~。あ~でも、天界にも欲しいですわ~〗
え?そこ?
でも、確かにイル様もハマりそう
〖ダメです。こんなもの主神が手にしたら最後、駄神が更に駄神になってバートがキレます〗
うわ~エル様(サーヤの頭の中ではエル様。だけど、口にすると、えりゅしゃま)、さすがバートさんと仲良し……
〖ダメよ。バートに知られては。これを破壊されてしまうわ……〗
ジーニ様?
〖そうですね。お父様には犠牲になっていただいて……〗
シア様?
〖そうですね。この三人の秘密で……〗
エル様?
〖〖〖は~至福……〗〗〗
神様三人、ずっぽりはまりましたね。
そんな様子をぼうっと見てたら…
『はぁ、気持ちいいね~サーヤもおいでよ~』
ハク?どこ?
『はあ、本当に気持ちいいな。出たくないぞ。サーヤも早くおいで』
吹雪じぃじ?どこ?声はするのに見えません。
『ハク、親父、そんなに入ったらだめだろう』
『そうですよ。もう少し出ないと』
ギン様?白雪?みんなどこ?どこ?
ぴゅいきゅい『『サーヤ』』
『ここだよ』
『ここ、ここ~』
双子とフルーとフライが指さして教えてくれました。
「ふあっ」
そこには鼻先だけ出してすっぽりコタツに潜り込んだフェンリル一族が……犬はお庭で?実際は違うんだね~
「こたちゅむりが、いっぱい」
『こたつむり?』
『サーヤ』
『それなに?』
妖精トリオが聞くので、みんなが、かたつむりを知ってるかは分からないけど
「
『『『こたつむり?』』』
「あい」
そうです。
みゃ~『かたつむり、なんにゃ?』
やっぱり知らないのか~
「ん~ちょ、
指で空中にぐるぐる
ぴゅいきゅい『『ぐるぐる~?』』
みゃあ『ぐるぐるのおうちにゃ?』
「あい。ちゅのがあって~」
指で頭に角を作ります。
『角あるの?』
『強いの?』
「うにゅ?」
つよい?わかりません 。それから
「べろーん、ちた、からだで、うねうねってうごくにょ」
腹ばいになって、頭に角作ったまま、うにょうにょ動きます。
『なにそれ~!?』
『うねうね?』
『きもちわるい~』
気持ち悪い言われちゃいました。
「あるいちゃあと、ぬめぬめてかてか」
葉っぱとか歩いたところ分かるよね。
ぴゅ?『ぬめぬめ?』
きゅ?『てかてか?』
ぴゅきゅ~!『『いや~!!』』
あれ?いや~?上手く伝わってない?なんか間違ったかな?
「
イラストとかぬいぐるみとか、可愛いよね?
『『『『『えええ~?』』』』』
ぴゅいきゅい『『かわいいの!?』』
みゃ~『うそにゃ~!』
あ、あれ?おかしいな~
『サーヤ、今の説明で』
『可愛いと思えるやつは』
『『多分いない』』
フゥとクゥまで!がーん!
『はぁ···仕方ないな。雪の精霊さん、悪いがここに雪を出してくれるか?こんくらいの』
おいちゃんが見かねて、何やら始めるみたいです。
コタツの上にさっきの水を弾く葉っぱを置いて、雪の精霊さんにお願いしてます。なにするのかな?
『おやすい御用』
『ありがとな』
雪の精霊さんは雪をこんなに遊びで使えるとは思ってなかったんだって。だから、とってもご機嫌です。
おいちゃんは、ひと塊の雪を固めて、ある程度形を作ったら、木の棒やナイフを使ってどんどん形を整えます。ちょっとした雪の彫像です。雪の精霊さんの目もキラキラです。
『おし!こんなもんかな?』
出来上がったのは、かたつむり!普通バージョンと、こたつむりバージョンです!
『「ふわぁ~ぁぁ」』
思わず雪の精霊さんとはもっちゃいました。えへへ~
かわいいけど、リアルなかたつむりさん達の完成です!
「おいちゃん、しゅご~」
『すごい。これがさっきの説明と同じもの?』
雪の精霊さん、もしもし?いま、さらりと
『あっ、ごめん。こ、こんな可愛いとは思わなくて?その…』
「ぶー」
いいもん。いいもん。
『えっと、その、雪でこんなことも出来るなんて、知らなかった』
雪の精霊さん、話をそらしたのかな?ただ単に感心してるのかな?
『俺たちがいた国は地方によっては雪がかなり降ってな?こういう彫像を作る祭りもあったんだよ。でかいヤツは、この、かまくらよりでかいんだ。あとは、雪燈篭なんかも綺麗だぞ。雪の中に灯りを灯すんだ。色んな遊びもあるから、雪降ると子供たちは喜ぶんだよ』
おいちゃんの言う通り!
「あい!ゆき、すち!」
うん。綺麗だよね!何より楽しいよ!
『そう。それは嬉しい』
雪の精霊さんが嬉しそうになでなでしてくれます。えへへ
ぴゅいきゅい『『これが、かたつむり?こたつむり?』』
『ぷっ、確かに今のハクたちだな』
『うん。そのまんまね』
双子とフゥたちが言うとみんなが笑いだしました。
『え~?なあに~?』
なんでもないよ~。ぷふっ。
『でもこれ、凄いわ。どうやったの?中がほんわか暖かいわよ?』
風の精霊さんが、コタツの中に手を入れて確かめながら聞いてきます。
『アイナ様と火の精霊さんに助けてもらったんだよ』
「ほえ?」
不思議な組み合わせだね。
『ゲンさんにお願いされまして、私が石を作ったのですわ』
『その石に俺様が力を付与したんだよ。まったく『燃えるようにじゃなく、熱だけを出すように』なんて、初めての注文だったから驚いたぞ!なっ』バシバシバシッ
『イテイテイテッ』
ほんとに驚いたみたいで、おいちゃんをバンバン叩いてます。
『でも、このやり方凄いわよ。これが広がれば凍死する人減るんじゃない?石を小さくして持ち運べるようにするとか、いくらでもやりようがありそうよ』
風の精霊さんがいいます。
「かいりょ」
ぴゅいきゅい『『かいろ?』』
思わず言っちゃったら、みんながこっち向いちゃいました。
『前の世界にあったんだよ。使い捨てのとかな。しかも、魔法は使わずに。言わば自然の原理を応用した方法でな』
おいちゃんが言うと
『『『『『ええ~?』』』』』
あ、あれ?精霊さんたちに驚かれちゃった?
雪の精霊さんだけは、かたつむりを動かして遊んでました。気に入ったんだね…
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