21 魔族対策
想定より来るのが早かったな、魔族。
なぜ来ると分かっていたかというと。元の人を鑑定のスキルを使い、見た時に魔法使いのスキルを所持していることを確認していたからだ。
「ど、どうしたんですか。」
突然、殺気を出したからだろう。まあ、勇者のピリポさんなら教えてもいいだろう。
「あいつは、魔族だ。」
「そんな。」
「これに関してはあとで話そう。」
なるべく殺気を抑えて動きを伺うか。
「こんにちは。ロベルさん。私もここに加わってもいいでしょうか。」
すぐに殺るつもりはないか。
「ええもちろん。あなたは魔法を使えるのなら。」
「大丈夫ですよ。僕には魔法使いのスキルがあるので。」
「あなたの適性はどれですか。」
「水です。」
「なら、あそこに見える魔法の訓練しているグループに入ってください。そこでどれだけ魔法が使えるか判断されるので。」
「ありがとうございます。ちなみに隣にいるのって。」
「ああ。勇者のピリポさんですよ。」
「会ってみたかったんです。こんなに早く会えるなんて嬉しいです。」
まずい。どうする。そういえば風魔法を使って会話ができるじゃないか。
『ピリポさん。これからある程度対応をするから気にしないでくれ。』
さすがに突然は驚いたか。仕方がないんだ。
「握手してください。」
「ええ。」
ええ。じゃねえよ。まずい。これは非常にまずい。結界を使えば何とかなるか。
そして、握手をした。