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249 空の上で

本日2話目の投稿です。よろしくお願いしますm(_ _)m
☆。.:*・゜☆。.:*・゜

背にハクと妖精トリオ、それに青葉たちを乗せ、先程空から見た時に土煙が上がっていた方向に飛ぶ。おそらく、ハクの祖母は危険な状況だろう。急がねばならぬな。

『ハク、妖精たちそろそろだぞ』
『うん!おばあちゃん…』
『ハク、大丈夫見つけましょう』ぎゅっ
『うん』
青葉がハクを落ち着かせるように抱きしめる。
ハクのためにも早く見つけないとな。

『ん~すこしずつ~』
『すこしずつ~』
『おめめに~』
妖精トリオがアイナの言いつけを守って目に魔力を流している。

『わたしあっち』
『ぼくこっち』
『じゃあ、ぼくこっち』
『『『ん~~』』』
妖精トリオが役割を分担したようだ。我は少し広めに探索するか…

『あっ!アルコンさま!あっち!』
『どこ?』
『あっ!ほんとだ』

なんだと?そんなにはやく?
フィオが斜め前方を指さした。そちらを確認すれば、確かに弱々しい気を感じた。

『たいへん!』
『きにもたれて』
『ぐったりしてる!』
『『『いそいで!』』』
驚いた。そこまで見えるのか!

『分かった。降りるぞ!しっかり掴まっていろ!』
『うん!』
『『『『はい!』』』』

『ハク、あおばちゃん』
『ハクのおばあちゃん』
『ちをながしてる』
下降する中、妖精トリオが目を凝らして見えることを伝えてくる。ここからでも分かることを少しでも伝えて、すぐに対処できるようにしようとしているのか。

『ケガしてるのは』
『あたまと、たいへん!』
『ちをはいてるよ!』
なんだと?内蔵をやられたか?
これは…

『青葉、着いたら直ぐに結葉から預かったものでポーションを作れ』
『分かりました』
青葉と精霊たちがしっかりと頷く

『おばあちゃん·····』
『ハク···ハク!しっかりしろ!辛いだろうが落ち着いてよく聞くんだ。お前は癒しの魔法が使えるはずだ』
『あっ!』
今、思い出したようだな。この状況では無理もないが

『心を落ち着かせて魔力を巡らせておくんだ。難しいが、やれるな?』
『ぼく···』くぅん···
まだ練習もしていない癒しの魔法を使えと言っているのだ。ハクが不安がるのは分かる。だが

『ハク、大丈夫だ。お前は強くて優しい子だ。おばあちゃんを助けたいと思う気持ちがあれば必ず出来る。お前にしか出来ないんだ』
『ぼくしか···』

『ハク、私達も手伝うわ。大丈夫!あなたなら出来るわ』

『そうだよ!』
『だいじょうぶ!』
『ハクならできるよ!』

『私たちも頑張って』
『お薬作るよ!』
『結葉様の力もあるんだから!』

みんなでハクを後押しする。まだ幼いハクには辛いことだとみんな分かっているのだ。だけど、みんながハクを信じている。

『ハク···』
俯くハクをみんなが見守っていると

『分かった!ぼくやる!』
ハクがガバッと顔を上げた。

『そうか。ハク、偉いぞ』
ハクにしっかりと決意が宿ったな。

『ハク、一緒に頑張りましょう』
『『『頑張ろう!』』』
『ハク、こんなときは』
『おいちゃんにならった』
『あれだよ!』
『うん!』
『『『せーのっ』』』

『『『『『『『えいえい、おー!!』』』』』』』

我の背で、頼もしい子らの、決意の雄叫びが上がった。

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お読みいただきありがとうございますm(_ _)m
前話の裏的な?アルコン様視点のお話でした。

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