8章 偏ったテレビ放送
ミサキは目を覚ましたあと、大きく背伸びをする。
30分寝ただけなのに、心は大いにリフレッシュする。昼に寝るのは、いろいろなプラス効果をもたらす。
部屋にあるテレビをつける。画面には4人組の、女性アイドルグループが映し出された。
「うわ・・・・・・」
声を上げてしまったのは、露出部分が多かったからである。隠れているのは胸、股間だけで、他の部分は露になっていた。衣装がちょっとでもずれれば、完全に丸裸だ。
アイドルは気にしていないのか、スマイルで歌を披露している。その姿を見て、理解しあえない人たちだと思った。売れっ子になるためとはいえ、大衆に自分の裸をさらけ出すのはありえない。
テレビのチャンネルを変えると、アイドル水泳大会が開催されていた。ミサキは内容を確認することなく、チャンネルをスイッチする。
他のチャンネルでは、温泉に入る美女が映し出される。これも見る気になれなかったので、番組を変更する。
他の番組では、20くらいの女性がニュースを読んでいた。まともな衣装だったので、気持ちが落ちつくこととなった。
「本日はいい天気です。外で体を動かしましょう」
女性の顔を見ると、妖精さながらの美しさを醸し出していた。同じくらいの年齢なのに、圧倒的な差をつけられている。同じ女性として、完全に負けている。
別の番組にすると、バスケットの試合が映し出された。選手は全員美人だったので、顔だけで選んでいるのかなと思った。
バスケット選手が、味方にパスをする。ボールはとんでもない方向に行き、相手のスローインとなった。
スローインの選手が、ボールを投げようとする。手を滑らせたのか、暴投さながらだった。
バスケットを3分ほど見た。あまりにレベルが低いので、初心者がプレイしているかのようだった。プロとしてお金を取れる、レベルには到達していない。
テレビを見ていると、ちょっとした空腹を感じる。テレビを消したのち、冷蔵庫の方に向かっていった。