184章 ある意味で最大の外れ
ミライがいなくなったあと、男性に声をかける。
「すみません、お時間をおかけしました」
男性がくじを引くと、「特等」と書かれていた。
「おめでとうございます。『特等』です」
「特等」をゲットしたことで、男性の鼻息が荒くなっていた。
アカネは保存してある、「セカンド牛+++++」を取り出した。
「『特等』の商品はこちらです」
「セカンド牛+++++」を見た直後、男性の顔は蒼ざめることとなった。肉を一ミリも歓迎していないのが、はっきりと伝わってくる。
「『特等』は現金じゃないんですか?」
「はい。特等は最高級の肉となっています」
「セカンドライフの街」の名産を知ってもらいたい、という思いから「セカンド牛+++++」を用意した。
「最高級の肉は、お金に換えられないんですか?」
「商品の交換は受け付けておりません」
「『特等』から『一等』にすることはできないんですか?」
「そちらについても、対応は致しかねます」
男性は大きなため息をついた。
「そうですか・・・・・・」
「特等」をゲットした男は、最大の敗北者さながらだった。