176章 幽霊退治の依頼
アカネがのんびりとしていると、ドアをノックされる音がした。
扉を開けると、摩訶不思議な生き物がいた。
「こんにちは・・・・・・」
摩訶不思議な生き物は、人間の言葉を話せるらしい。
「あなたは誰ですか?」
「テオスといいます。お願いがあってきました」
テオスというのは、ギリシャ語で神を示す言葉である。
「テオスさんが、何の用ですか」
「私の国の生活を脅かしている、幽霊を退治していただきたいです」
魔物退治の次は、幽霊退治を依頼されるとは。超能力を持っていると、とんでもない仕事を押
し付けられる。
「幽霊退治はどんなことをするんですか?」
「街で悪さをしている、幽霊を消していただきたいのです」
話については、「アリアリトウ」とそっくりである。
「テオスさんはできないんですか?」
「幽霊のいるところは、空気がありません。それゆえ、空気のないところで生きられる人にお願いしにきました」
裏世界、魔物退治に続き、幽霊退治も空気がないとは。空気のない世界というのは、それなり
に存在しているのかもしれない。
「敵の攻撃を無効化できなければ、やられるリスクもあります。どんな攻撃を受け付けないとい
うのも、今回の条件となっています」
無敵の身体を持っていることも、既に知られているとは。世界は広いようで、とっても狭いの
かなと思った。
「仕事はどれくらいかかりますか?」
「順調に進めば、1~2年くらいで終わると思います。よろしくお願いします」
「そんなにかかるんですか?」
「はい。幽霊が増えすぎたので、すぐには終わらないと思います」
長期間の孤独を再び味わうことになる。一度目ならまだしも、二度目はきついものがある。
仕事を断ろうかなと思っていると、
「幽霊退治については、21~5時の仕事となっています。その他については、自由に過ごすこと
ができますよ」
陽の上っている時間帯は、こちらで過ごすことができる。そのことを知って、心が落ち着くこととなった。
「わかりました。こちらの仕事を終えたら、そちらにとりかかろうと思います」
こちらの仕事が10件ほど残っている。それを終えないことには、幽霊退治にとりかかることはできない。
「アカネさん、ありがとうございます。今回の報酬につきましては、2000兆ゴールドとなります。仕事が終了したら、マツリさんから受け取ってください」
手数料だけで、400兆円を引かれることになるのか。そのように考えると、モチベーションは低下することとなった。