魔竜王リバイアサンVS大天使サリエル
アメノトリフネが去ると、リバイアサンと大天使サリエルはおたがい睨みあったまま動かずにいた
空中に浮かんでいる青い魂は光の輝きが増していた
リバイアサンは言う
(死神よ、そろそろはじめよう
本当の姿を見せるがよい、だが、今回はあの時のようにはいかぬぞ、冥土へ送ってくれよう、大天使サリエルよ、
お前一人では役不足だな、他の仲間を呼んだらどうだ
我はそれでもいっこうにかまわんぞ)
と苦笑まじりに言った
大天使サリエルも苦笑まじりに言う
(そうよな、しかし他の仲間を呼ぶのはできぬゆえ、お前を冥土へ送るのは我となるな、リバイアサンよ、我がなぜ、戦いの大天使と呼ばれるかを教えてしんぜよう、では、参るぞ、リバイアサンよ)
そう言うと空中に浮かんでいる青い光の魂はぐるぐると回り出しながら青く輝き出して弾けとんだ
その場所の空中が歪み出すとその中から巨大な白い手がゆっくりと出現した
ゆっくりと大天使サリエルの本体が姿を現した
巨大な体には青い鎧に右手に巨大なカマを持ち、髑髏の顔があった
リバイアサンの前に本体のサリエルが完全に出現するとサリエルは両手で大カマを持ちかまえた
嵐と稲妻がネス湖に吹き荒れた
リバイアサンと大天使サリエルは動かずにおたがいの間合いをはかっていると、リバイアサンは言う
(こんな場所でその汚ならしい姿を見ようとはな、サリエルよ、汝は死を司る天使のようだが、ミイラとりがミイラとりよな、たった一人で我と戦おうとは
その傲慢さを恥じるがよい
愚かなる者よ)
サリエルは笑いながら答えた
(そうかの、リバイアサンよ、たしかに汝は強いが、お前の相手は我一人で十分よ、身の程を知るのはお前の方だぞ、リバイアサン、また、あの時のようには封印されるがよい、さて、そろそろおしゃべりにも飽きたの、いくぞ、リバイアサン、覚悟せよ)
そう言うと大天使サリエルは大ガマを放り回した
リバイアサンは嘲りながら言う
(よかろう、来るがよい、戦いの大天使よ、汝の力を我に示してみよ)
リバイアサンは口を大きく開けると破壊のエネルギーを口に溜め込んだ
リバイアサンは大天使サリエルに向けて巨大なドラゴンブレスを解き放った