第27話 限りある関係
「隼……俺、もしかしたら2週間ほどしてないからヤバイかもしれん」
長い長いキスを終え、俺は自分のモノを軽く触りながら隼に白状する。
「えええっ!?2週間も!?すごいね優…」
「お前と距離感がおかしくなってからというもの、自分でしようと思ってもどうしてもそのことを考えてしまってな…」
「それはごめん……」
「いつも俺はお前で抜いてたから。というか、もうお前でしか抜けないわ」
「うそだ!そんなこと……」
「本当だ」
俺は驚く隼の口を、軽いキスで塞いだ。
「だから隼。今日はお前よりも俺の方が多くイクかもしれんな」
「ほんとに?さっきも言ったけど、最近の俺もなかなかやばいよ?」
「わかってる。最近じゃなくて俺とし始めてからずっとお前はやばい。」
「ええなにそれ…」
「なんだろうな。」
俺は隼のモノをいきなり服の上から掴んだ。
「……んっ!!!優!やめて……」
「なんだ、パンパンじゃないか。毎日抜いてるのにこんなにしてるとは……本当にド変態なんだな」
「ちがっ……あっ!」
俺は隼のモノを擦りながら隼に意地悪を言う。
「んんっ………優、なんか今日……すごい焦らしてくる………」
「なんだ、早くシたいってか?」
「シたいけど俺……久々だから………」
「それは俺も同じだ。……まあお前がどれだけ溜めてたのか、見てやろうか」
「ああっ!」
俺は隼の服を脱がせ、飛び出したモノをいきなり咥えた。
「あっ!……ああっ……!あっ!はぁっ」
隼は気持ちよさそうにいつもより敏感に喘ぐ。
「あっ!あああっ!んっ……優…気持ちいい…」
俺はビクビクする隼の言葉には反応せず、ひたすら隼のモノを舌で動かす。
「あっ!!優!だめっ……俺、もう…!」
隼の足がガクガク震え出した。
隼は右手で自分の口を抑え目を瞑る。
「あっ……!ああっ!イクっっっ!!」
体を大きく跳ねらせた途端、俺の顔を目掛けて勢い良く大量の精液が飛び出した。
「……っはあっ……はあっ…あっ……」
気持ちよさそうに余韻に浸る隼のモノを、俺はすかさずまた咥えた。
「えっ!うわっ!ちょっ…優!だめっ!ああっ……」
俺の行動に驚いた声から、次第に素直に感じている声に変わった。
「ちょっと…!優!あああっ!だめ!あっ!ああっ!やばいって……あっあっあああ!」
1回目よりも派手にビクビクさせ大きな声で喘ぐ。
イッた直後の敏感なモノをしゃぶられるというのは……確かに、想像しただけで腰がフワつく。
「あっ!だめっ!!あああああっっ!!!」
再び腰をビクンビクンさせて、隼は大量の潮を吹く。
噴水のように勢い良く飛び出すそれは、俺の顔にも容赦なく降り注いだ。
一瞬で隼の尻の下には透明な水溜まりができた。
「……隼…お前今日の精子と潮の量半端ないな……まあお前がヤバイのはいつもだけど」
「っ……優、ごめん……俺、優の顔に……」
「いいんだ。むしろ興奮する」
「……ええ…変態……」
俺は隼に変態と言われるのが好きだ。
言われれば言われるほど、さらに変態なことをしたくなるからだ。
俺はそのまま、隼のモノと穴を同時に弄る。
予測できない俺の動きに、隼は毎回初めこそびっくりしたような声を出す。
しかし、次第に快楽に身を任せるようになる。
「あっ!!ああっ……」
クチュクチュと卑猥な音が部屋に響く。
隼のモノがいきそうになる度に直前で止め、穴だけに刺激を加える。
それからしばらく、俺は隼に同じ動きをした。
隼はその方法で、既に4回ほど穴でイッている。
「ああっ!!優……もうだめっ」
「嘘つけ。お前が4回しかイケないわけないだろ」
「んんっ……!」
「仕方ないな……」
「あっ!?ああああっ!!あっ!なにこれっ!だめっ!!あああっ!!!」
俺はこれまでの指の動きを変え、隼のコリコリした奥の部分を押すようにした。
「やっ!優!だめっっ!!あっ!」
隼はさっきまでよりも反応を大きくする。
それでも俺は構わずコリコリを刺激し続ける。
「あああああっっ!!!」
隼の全身がガクガクする。
隼は俺の腕を強く掴み、首を横に振っている。
「だめっ!優!出る!!!なんか出るっ!!」
隼がそういった途端、物凄い勢いで隼のモノから体液が飛び出した。
それと同時に、隼の穴は俺の指を強く締め付けた。
「……隼、お前これトコロテンってやつじゃないか」
トコロテンとは、モノに触れずに前立腺への刺激だけで押し出されるように射精することだ。
かなり気持ち良いと言うが、確かに目の前の隼の様子を見れば、並大抵の気持ち良さではなさそうな事が分かる。
「隼。大丈夫か?」
俺は気を失いそうな隼に優しく声をかける。
「うん……大丈夫だよ……」
隼は息を切らしながらも、俺の問いかけに答える。
隼のモノをふと見る。
まだまだビンビンだ。
「………トコロテンがまだ足りないってことか」
俺はそう呟いて、隼が何かを言うよりも先に再び隼の穴に指を入れる。
「あああああっっ!!!」
トコロテンイキしたばかりの隼はまた大きな声を出し俺の指の動きに合わせて体を震わせ全身で感じていた。
「これ、今俺のを入れたらどうなるんだろうな」
「え…?あっ!あああああ!!!!」
「……っくっ………」
俺は隼の穴から指を抜き、大きくなっている俺のモノを挿れる。
「あっ!優の……すっごい………」
「どうしたんだ?」
「久しぶりだからっ………こんなおおきいの……あっ!ああっ!」
「隼お前……ほんと可愛いな………やっぱり俺のが一番か?」
「……っ!うんっ……!あっ!優のが一番いいっ………!あっ!」
俺のモノで感じている隼の姿と、魔性さを感じる言葉のせいで、俺のモノは隼の中で更に大きくなっている。
「あっ!あああっ!!優っ!!気持ちいい…っ」
「俺もだよ。ずっと………ずっとこうしたかった……っ!もう我慢できんっっ」
「はぁっ……!あっ……あああっ!」
久しぶりの隼の中は、とても熱くてヌルヌルしていて、俺のモノを強く締め付けた。
この数カ月、こうして隼とできなかったことなど一瞬で忘れてしまう気持ちよさに、俺はひたすら腰を振る。
パンパンと激しい音が重なり合う。
隼はまた、背中を仰け反らせガクガクし始める。
「ああああああっ!!!」
「隼、イクのか?」
「あっ!!イクっ!ああっ!!!!」
ビクンっ!!と大きく体を跳ねさせて、隼の穴がキュッと締まった途端、隼のモノからは再び大量の体液が飛び出る。
それでも構わずに俺は腰を動かし続ける。
隼の体液はその動きに合わせるようにして飛び散る。
「はぁっ……!ああああっ!!優!だめっ!だめえええっ!!!」
俺の容赦ない動きに、隼は泣き叫ぶようにしながらも感じている。
「……隼、態勢変えようか」
俺は仰向けになっていた隼の体を起こし、二人で立ったまま、隼の背後に俺が回り込んだ。
「隼足開いて」
「……えっ?………あああっ!!!」
俺は立ったまま、後ろからモノを挿れる。
「……っ!気持ちいいなこれ……」
隼は俺の方に尻を突き出している。
俺は隼の両腕を掴み、勢い良く後ろから攻める。
何とも言えない締まり具合に、俺のモノも限界を迎えそうだ。
「あっ!優!だめっ!また……っ!」
俺がイクより先に、隼がまたイッた。
ガクガクと腰と脚を震わせ尻の筋肉をピクピクさせ、モノからトコロテンを溢れさせている姿は、後ろから見てもかなりエロい。
そんな姿に俺のモノはもう、耐えられなかった。
「…隼っ!」
「あっ!!優!!おおきいっ……ああっ!気持ちいいっ!」
「隼っ!!イクぞっ!」
「きてっ……!!優っ出してっっ!!」
隼の言葉を合図にするように、俺のモノは隼の中で爆発した。
「……うっ……」
ドクンドクンと脈を打つのと同じく隼の中へ俺の精子が放出される。
ここ最近溜めてきたものが、一気に溢れ出る。
それは俺の性欲なのか、隼への想いなのか。
もしくはその両方が、俺のモノで何度もイキ狂う隼に向けて惜しみなく注がれた。
「はぁっ………あっ……」
俺の熱い欲を受け止める隼は、物足りなさそうに腰をヒクヒクさせている。
「隼。まだまだ足りないだろ?」
見かけによらず性欲の強い隼に向かって、俺はそう問いかける。
「……うん……足りない……優のが全然足りないっ」
隼はそう言って、なんと自分から腰を動かし始めた。
立ったままの俺に突き出すようにして尻を打ちつけてくる。
その淫らな動きにまた、俺のモノが反応した。
「あっ…あっ………あああっ!!!」
俺が突然動き出したため、隼は驚きながらもどこか嬉しそうに声を出す。
俺はもう、全力で最速でガムシャラに隼に自分のモノを打ち付け腰を振る。
「あっ!!優!はげしいっ……!ああああ!だめぇっっ!!ああああ!!」
俺の激しい動きに全身を揺らしながら、隼の穴は締まっていく。
「優っ!!だめっ!イクっ!!!」
動いて然程経たないうちに、隼はその快楽に耐えられずに果ててしまった。
溢れ出るトコロテン……その透明な液体は、またそこらかしこに無造作に飛び散り、穴を震わせ感じている隼の欲望が止まらないことを示しているようだった。
「優…………んっ…………」
隼は俺の方を振り向き、自分からキスをしてきた。
隼の可愛いところは、性器で派手にイクだけではなく、所々でキスをしたがるところだ。
キスにはきっと、性器同士では感じられない、感情的な気持ち良さがある。
俺も隼の両頬を掴んで、隼の口を貪る。
………どうしてこんなにこいつは可愛いんだろうか………
普段は真面目でしっかりしていて、だけどどこか危なっかしくてついつい手を貸してしまうような、放っておけない奴。
みんなに優しくて好かれていて、まるで暖かい太陽の様に誰もを幸せな気分にさせる。
そしてどこか純情で潔白で、幼気な雰囲気を併せ持つ。
そんな隼のこんな姿……
だれが想像つくだろうか……
腰を震わせ気持ちよさそうに喘ぎ体液を撒き散らして俺を求める………
そんな一面があるなど、きっと普段の様子からは誰も分からないだろう。
普段のこいつとのギャップが、余計に俺を病み付きにさせる。
俺はもう………こいつから離れられない……
長いキスを終え俺の目をじっと見つめる隼。
その真っ黒な目は潤んでいて、こんな行為をしているのにも関わらず、俺には無い純粋な色をまだどこか宿していた。
俺は思わず隼をぎゅっと抱きしめた。
突然の事にえっと驚く声を出した隼も、俺の強い抱擁に次第に身を任せた。
全身で感じる隼の温もりは、隼と雨宮がセックスをするようになったらもう俺は感じることができなくなるのだろうか……
甘くて優しくて心地よいこの肌の触れ合いは、今に限られたことなのだろうか……
それならば、今のうちに全力で隼を感じるしかない。
いつか終わりが来るこの関係は、俺にそう思わせるような儚さを含んでいた。
俺は隼との限りある行為に、再びただただ耽るだけだった。