224 水の精霊樹さんのお話
精霊樹さんがお話してくれたのでお願いしよう!
「あにょにぇ、ぷりゅぷりゅちてほちいにょ」
体をぷるぷるして説明します。そしたら
『わっわっ!また!落ちちゃう落ちちゃう!』
って青葉ちゃんがワタワタしちゃいました。
「ごめしゃい」
またやっちゃった。てへ。
『う、ううん。大丈夫よ…』
困った子ねってお顔ですね。ごめんね?
『くくっ、さっきも言っていたな。どういうことだ?』
精霊樹さん、『くくっ』てなんかかっこいい~♪今度まねっこしよう!
『ええと、実は精霊樹が大きくなりすぎてしまって、周りが危険なの。それで、樹を少しでも小さく出来ないかとお願いに。プルプルというのは、サーヤちゃんのお友達のトレントが自分で体を揺すって余分な枝葉を落としていたからなの』
「あい。ぷりゅぷりゅ、できりゅ?」
精霊樹さん、ふむふむって聞いてくれてます。
『なるほど、まぁ、体を揺する必要は無いが落とすことは出来るな』
「ほんちょ?」
出来る?
『ああ。出来るぞ。ただ、一時的なものになると思うぞ。愛し子様の「さーや!」…愛し「さーや!!」……』
サーヤだよ!
『青葉?これは……?』
困ったぞ?という感じの精霊樹さんに、青葉ちゃんが苦笑いしながら
『毎回のことなんだけど、サーヤちゃんは愛し子様とかサーヤ様とか呼ばれるのを嫌がるの』
と、説明してくれたので
「さーや、こぢょも!えりゃくにゃい!しゃま、えりゃいちとちょ、おとにゃのちと!」
ふんす!と言い切ります。
『ね?こういうことなので、呼び捨てかサーヤちゃんと呼んであげて』
「さーや!」
呼び捨てでいいのよ?
『そうかそうか。ではサーヤと呼ばせてもらおうか』
また、くくっとかっこよく笑いながらいいます。
「あい!いいよ!」
やったあ!
『くくっ、それでな、さっきの続きなんだが』
「うにゅ?」
つづき?なんだっけ?
『サーヤちゃん、一時的なものでしかないってお話よ』
青葉ちゃんが教えてくれました。
「あっ!しょうでちた。ごめしゃい」
お話途中だったよ!
『よいよ。サーヤはまだ小さい。それに、呼び方を教えてくれたわけだしな』
精霊樹さん、優しい!
『それでな?サーヤたちの加護のおかげで眠っていた力も目覚め始めている。成長は止められないだろう。だから一時しのぎでしかないだろう』
『そうですか。ではこの空間をやはりどうにかする必要があるのですね』
う~ん。困ったね~。
『それとな?目覚め始めた私の力が、その落した枝葉にも宿るだろう。万が一、それが水で流れて人に渡り悪用されるようなことになるのは避けたい』
すごい!もうそんな先に起こるかもしれないことも考えてくれてるんだね!
『まあ、親の精霊樹の記憶も多少伝わっているしな。サーヤたちのおかげで繋がりが深まったから、より情報は入って来るようになったよ。ありがとう』
そうなの?
「えへへ~どーいたちまちて~」
照れ照れ。
『枝葉を落としてもらう時、必ず誰かがいるようにしたらどうでしょうか?この聖域に住んでいる者たちなら、みんな信頼できますし、素材も有効に使ってくれるはずです』
青葉ちゃんが伝えてくれます!そうだよね!みんな仲良しだし、いい子だよ!
『そうだな。ではそうしよう。さっそくやってみるか』
『ありがとう』
「やっちゃあ!あいがちょ!」
『危ないから少し離れていなさい』
『はい』
「あ~い!」
みんなにも伝えなきゃ!
『皆さん、精霊樹から離れて下さい』
「はにゃれてくだちゃーい」
みんなに伝えると、ジーニ様が
〖二人ともこちらにいらっしゃい。シールド張ったから大丈夫よ。素材も流れないから安心して〗
さすがジーニ様!青葉ちゃんに抱っこされたままジーニ様のところに行きます。
〖お帰りなさい。二人とも。上手くいってよかったわね〗
ジーニ様にひょいって抱っこされました。
「あい!」
がんばったよ!
『良かったです』
青葉ちゃんもがんばったよね!
〖精霊樹、いいわよ!お願い〗
ジーニ様がそういうと、ガタガタガタガタって地面が揺れるとバサバサバサバサっと枝と葉っぱが落ちてきました。
影になっていた枝にも光が当たって、枝と枝の間にも空間が出来て、さっそく戻ってきたお魚さんたちが気持ちよさそうに泳いでいます。
「ふ、ふぉぉぉ!しゅっきり~」
いっぱい落ちてるね
『ジーニ様、これは一時しのぎに過ぎないそうです。サーヤちゃん達のおかげで、眠っていた力が目覚めてきてるそうで、成長は止められないと。なので…』
〖そうね、私の空間拡張とアイナに念の為に表面を強化してもらって、圧縮は難しいでしょ?〗
圧縮?どうするの?
『そうですわね。ただ、空間を広げるために圧縮するのは簡単ですが、水脈や地上への影響を考えると数メートル位が限度でしょうか。申し訳ありません』
なるほど、外側に向けて地面を潰して広げるんだね。
〖それは仕方ないわ。少しでも出来るならやりましょう〗
『はい。かしこまりましたわ』
『ジーニ様、アイナ様ありがとうございます』
青葉ちゃんがお礼を言ってます。ちょっとお目目うるうるだね。
『いいのですのよ。お気になさらないで。むしろこれくらいのことしか出来なくて申し訳ありませんわ』
アイナ様が少し悲しそうなお顔です。
『そんなことありません。充分です。ありがとうございます』
青葉ちゃんいい子♪なでなで。
あれ?びっくりされちゃった。えへ?
〖ふふ。それじゃ、その前に、ゲン、収納しておいてくれる?あなたならその内色々使えるんじゃない?〗
しーん…。あれ?おいちゃん?
〖ゲン?どうし…〗
『か…』
おいちゃん?ぶるぶる?
〖か?〗
「か?」
なあに?
『か、鰹節だー!』
え?な、なんですと!?
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