218 届いた?
青葉ちゃんの所まで届け~!と、思ったら精霊樹さんがさわさわさわ~ってなりました。薄く緑色に光ってます。とってもキレイです。そしたら今度は泉が光りだしました。薄い青緑色です。キラキラがふわふわです。
「ふわぁぁぁぁ。しゅご~。きりぇ~」
サーヤのお目目もキラキラです。
『サーヤちゃん、感動するのは分かりますわ。でも、今はあの光とこちらの光を結ぶことを考えてくださいませね』にっこり
「あ、あい」
アイナ様から何か逆らっちゃいけないオーラが出てます。えっと、光と光を結ぶ?ちょうちょ結び?固結び?
『サーヤ、結び方じゃない…繋げるんだよ』
なんで分かったの!?おいちゃんエスパー?
『なんでって、お前の頭の上で光がリボンみたいになってるんだよ。蝶結び、かわいいけどほどけるぞ?』
なんですと!?となりでアイナ様もぽかんとしてます。
『ん~想像したのが形になっちまうなら、一枚の綺麗な布とか想像したらどうだ?頑丈な紐とか?リボンは結ぶとほどける感じがするけど、編み込んじまったら解けないだろ?あとは、染料みたいに混ぜちまうとか?キレイな色になるように』
「うにゅう?」
まぜまぜして~?キレイな色にして~、みんなの色もキレイだから~、みんなの色もまぜまぜしたら~、もっとキラキラキラキラ~ってなるかな~?
『おお?』
『まあ!』
『すごいにゃ』
みゃあ『きらきらにゃ~』
おいちゃんとアイナ様たちは、なんで驚いてるのかな?
〖あらあら、すごいわね~。さて、聖域とはいえ、あまり神が手を出さない方がいいかと思って見てるだけにしていたけど、そうもいかなくなったかしら?〗
じっと見守っていたジーニ様が、静かにサーヤの隣に来て、そっと肩に手を置くと
〖サーヤ、ゆっくり目を閉じて。今のサーヤなら目を閉じても、まわりが見えるはずよ〗
ジーニ様がサーヤの気持ちを落ち着かせるように、静かに優しく声をかけます。少しの魔力を声にのせて
「あい」
ほんとだ~。キラキラが見えるよ。
〖そうね。それじゃあ、そのキラキラをゆっくり広く広げていって。森や泉、土の中、空も見えてるかしら?〗
「あい」
ふしぎだなぁ?お目目閉じてるのに、お空が見える気がする~
〖シールド〗
ん~?ジーニ様がなんかしたみたい~
〖サーヤ、今私が張った目には見えない壁を感じるかしら?〗
「あい」
ぽよんぽよんしたの。ねんねしたら気持ちよさそう。
〖ふふ、そう?それならあとでそれ用に作ってあげるわ〗
ほんと?やったあ!
〖それじゃ、そのぽよんぽよんを押し広げるようにしてみて、ゆっくりでいいわよ〗
ゆっくりゆっくり~
〖そう。その調子よ。結葉の精霊樹は感じられてるわね?青葉の精霊樹は感じるかしら?〗
青葉ちゃん青葉ちゃん、お水の中~あっ!いたぁ
〖見つけたのね。じゃあ、まずはそこまで広げてみてね〗
あ~い。よいしょよいしょ。ゆっくりゆっくり~
〖みんなも、ぼーっとしてないでお祈りして、魔力を送ってね〗
辺り一面、キラキラと輝く光景にみんなが見惚れていた。さっきまでの色にサーヤの銀色の光が混ざっている。
『あ、ああ。すまない』
『も、申し訳ありませんですわ』
慌てて、みんなも祈り出すと
あっなんか、キラキラ増えた!みんなのキラキラもまぜまぜ~
青葉ちゃんのそばのキラキラもまぜまぜ~
あれぇ?精霊樹さん達が?
『ジーニ様、青葉と繋がったわ』
『ジーニ様、私も感じました。樹が光ってます』
結葉様と青葉ちゃんの声が聞こえます。
〖ありがとう。もう少しそのままでいて。サーヤの加護をもう少し広げるわ〗
『分かったわ』
『分かりました』
〖サーヤ、青葉の樹の下と、もう少し地底湖の奥までキラキラを広げることは出来る?アイナの言葉を思い出して。自分を中心に下にも横にも今回は上にも魔力を広げて。そうね、球体を想像したらいいかしら?〗
青葉ちゃんの樹のあんよ~。青葉ちゃんの樹もあんよゆっくり伸ばしたいもんね~あとは、もっと奥~?
『球体…サーヤ、風船を膨らませてみろ。ボールでもいいぞ』
ジーニ様の言葉を受けておいちゃんがヒントをくれました。
ボール~?膨らます~。ま~るく、ま~るく、ちょっとずつ膨らませて~。みんなのキラキラまぜまぜもして~。
どのくらいまで行けばいいかな?ん?あ、あれぇ?
〖サーヤ、そのくらいにしましょう。意識をだんだん戻してきてね。ゆっくりよ〗
ゆっくりゆっくり、でも、今のなんか気になったの聞かなきゃ~
〖サーヤ、ゆっくり目を開けましょう〗
ゆっくりゆっくり~
「ふぁああ?」
目を開けたらそこにはおっきくなって光る精霊樹がありました。
「おっきくなっちぇる~」
びっくりです。そしたら精霊樹からスーっと結葉様が出てきました。
『ふぅ…サーヤ、みんなありがとうねぇ』
『すごいな…サーヤありがとう』さわさわ
「ふぁああ?」
きらきらきらきら~?
『あらぁ、精霊樹育ったわねぇ』
『そうだな。力が漲っているな。昔より大きくなったか?』さわさわ
『そうかもぉ。良かったわねぇ』
『そう言うお前も随分若返ったみたいだぞ』さわさわ
『そうねぇ。私も力が湧いてくるわぁ。サーヤに名前をつけてもらった時に既に若返ったみたいに感じてたけど、もしかしたらあの時は傷が癒えた感じだったのかもねぇ』
『そうだな。む?』さわさわ
スゥ~っ・・・むぎゅうぅっ
『いひゃいいひゃいぃ にゃにしゅるのぉ ジーニしゃまぁ』
音もなく近づいたジーニ様が結葉様のほっぺたを、むぎゅうぅぅぅぅって引っ張ってます。
〖なんなの?なんなの?このツヤ、このハリ、この弾力、もっちり感はなんなのぉぉぉ!〗
むぎゅうぅぅぅぅ むにむにむにむにぃ
『いひゃいいひゃいいひゃいぃ もげちゃうぅ つぶれちゃうぅ やめてぇぇ~』
はっ!結葉様が大変だ!
「じーっ」ぱしっ むがむが
『おばか!今行くんじゃない!巻き込まれるぞ』
おいちゃん、巻き込まれる?
『そうだぞ、今は空気になるんだ』
クゥ?空気?
『サーヤ~、結葉様の周りを見て~』
ぴゅいきゅい『『ジーニしゃまだけじゃないよ~』』
『『フゥも』』
『『『ゆすらちゃんも~』』』
『ご主人もにゃ』
みゃっ『ほんとにゃ』
きゅるるん『『『『『『『おかあさんまで~』』』』』』』
あっほんとだ。結葉様取り囲まれてるぅ。
『なんだ?またか?』
『しっ!アルコン様、いい加減こういう時の空気を読んでください!』
ぴゅいきゅい『『おとうしゃん、めっ!』』
『す、すまん』
アルコン様はダメダメだね。クゥと双子に怒られてます。
『ゆ、山桜桃までどうしたんですか?』
『はるひ、しずかにするのだ』
『ソウデス。ワタシタチニ、トビヒサレテハ、コマリマス』
『は、はい』
春陽くんは、今回初めてだっけ?
『他人事じゃないぞ。サーヤもだぞ。俺とお前が一番やばいんだからな』
こくこく。分かったからお手手~ ふがふが
『あ、わるい』ぱっ
ぜぇぜぇ まったくもう~
ぷるるん『私たちは』
ぷるるん『そもそも口がない』
ぷるるん『『だから大丈夫』』
まあ、スライムさんだからね。
『なんだ、またかの?』ちゃぷ
『これはいつ終わるかのぉ』ちゃぷ
ん?水面からお顔半分だけ?じぃじたちが一番かくれんぼ上手だね。
『『なにがおきてるのか』』
『『わからないけど』』
『『そうか』』
『『わたしたちも』』
『『もぐればいいんだ』』
あっ土の妖精さんたちが真似っ子した。
『あ~ん、みんな助けて~』
ごめんね。結葉様。無理。です。
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