第11話 染み込む
「……………っ!」
俺は自分の履いていたものを全て脱ぎ、今にも暴れ出しそうなモノを露わにした。
隼はそれを見て絶句する。
「………優……さっき俺のにビックリしてたけど、それどころじゃないくらい大きいんだけど………」
「隼に見られてるからだな。」
「……っ!いや!そうじゃなくて…」
「すぐ照れるのほんとにかわいいな」
俺は隼の口を自分の唇で塞いだ。
「………可愛くないから……」
少しいじけたように言う隼は、まるで誘惑しているかのような色っぽい表情をしていた。
「隼。お前、俺以外の奴にもこうして迫られたらそういう反応をするのか?」
「そういう反応って……?」
「好きだとか可愛いとか言われてそんなに素直に照れたら余計に相手が発情するってのを分からんでやってるのか」
「そ、それは優だけじゃないの!?」
「そんなわけなかろう」
実際、俺は隼を性的対象として見ていたり恋愛感情を抱いている男を数人知っている。
もちろん、隼に彼女がいることは周知のことだし、誰も男であるこいつに真正面から告白をしようとは考えていないようだ。
だが、同じ気持ちを持つ者として、明らかに隼に友情や尊敬以上の念を抱いている奴のことは見ればすぐにわかる。
「…………優以外だったら、こんなにならないと思う……」
隼は俺のモノを眺めながら呟く。
「隼。俺の、欲しいのか?」
俺の言葉に隼は息を呑む。
「今日は素直になるって約束したよな?
もちろん、挿れるのは嫌ならしない。流石の俺も、そこまでは強要したくない。隼の気持ちに任せるよ」
口ではこう言うものの、もしここで断られたとして、これを抑えることができるかと言われるとその自信はなかった。
「…………俺、実は………その、こっちも少し興味あって……」
少しの沈黙の後、隼は自分の尻を指して口を開いた。
「なんだ、乳首だけじゃなくそっちも触ってたのか?」
「う…うん………少しだけね??」
「そうか。ではもう開発されてるということか。」
「いやいや!自分ではそんなにできないよ………正直、まだそんなに奥までは入らないし……」
「触ってたとかのレベルじゃないじゃないか。もう挿入済みとは」
「挿入ってほどでもないけど……自分の指を少し入れてみただけだよ」
俺が思っていたよりも、隼は性に貪欲だったようだ。
それは俺とのセックスのハードルを下げてくれている気がして嬉しい反面、俺の想像していた純粋無垢な隼から遠ざかるような気もして、複雑な気分になった。
「……引いた?」
隼が少し不安げに尋ねてくる。
「いや。引いてない。ただ思ったほどピュアじゃないなと思ってな」
「そりゃそうだよ。俺も男子中学生ですから」
隼は先程の俺の言葉を引用した。
「ところでどこで知ったんだ?そういうの」
「何となく……瑠千亜とか五郎が話してるのを聞いて興味持った感じかな」
瑠千亜と五郎………
俺と隼といつも一緒にいる友達かつ部活のチームメイトだ。
確かにあいつらは、いつも俺らの前で堂々と下ネタを言っていたな……
「アナルの拡張もそいつらから聞いたのか?」
「うん………勧められたから…」
俺は少し合点がいった。
なるほど。五郎と瑠千亜に穢されていたのか。
「……だから隼の前であいつらには下ネタを言ってほしくなかったんだ」
「確かに優いつも止めてたもんね。でもまあ俺だって男だし、あの二人が側にいなくてもそういう話に興味は持ってたと思うよ?」
「そりゃそうか………」
「なんで残念そうなの?」
「残念ではないが……何も知らないお前に俺が1から100まで教えたかったと思ってな。」
つい本音を漏らしてしまう。
「ところで初めて射精したのは?」
「それも実はみんなの話を聞いてなんとなくやってみたら……」
「いつ?」
「えー……と…今年入ってからかな?……って何でこんな質問攻めされてるんだ!?」
「興味あるからな」
「そっか…」
願望を言うなら射精も俺が教えたかった。
しかしそれをするには、俺はこいつに想いを伝えるのが遅すぎた。
「……優」
複雑な気持ちに囚われている時、隼が俺に声かけた。
「それで、俺、興味あったけどまだ気持ちいいとかそこまでわかんなくて…だから…優に教えてほしい…」
恥ずかしがりながら隼が言う。その妖艶な目は俺の目を捕らえて離さなかった。
「仕方ないな。手加減できそうにもないぞ?」
「それはさっきの優を見てれば何となくわかるよ…それでもいいから、お願い」
やはりこいつはM気質なのだろう。
本人は意図していないだろう上目遣いでそんな頼みをされると、こちらの理性も持つわけがない。
気がついたら、俺は隼をベッドに押し倒していた。
隼の唇を再び貪る。
ねっとりとした二人の唾液が絡み合い、自然と互いの感度が上がっていくのを感じた。
隼はなんと、俺のモノを下から触ってきた。
「…早くほしいのか?」
極度の興奮で息もままならん状態だ。
「……うん…」
性に素直な隼はこんなにもエロくて可愛くて愛おしいのか。
俺はこいつのその言葉に蕩けそうだった。
俺は自分のモノと隼のモノを交互に触り、先走った液を隼の穴に塗りつけた。
指で軽く触れる程度に塗っていると、隼の反応がだんだん大きくなるのがわかった。
「………あっ……」
「隼、気持ちいいか?」
「……んっ…きもちいい…」
「俺のはもう少し待ってろよ。今解してやるからな」
「……んん…はやくっ……あっ」
「せっかちだな。最高だよ」
まさかこいつがここまで素直になるとはな。
体の方も言葉と違わぬくらいに素直だった。
優しく指を入れてみる。
思ったよりもスムーズに入っていき、少し奥でコリコリしたものを見つけた。
「っ!あっ!そこ!だめっ」
コリコリを刺激した途端、隼の声が大きくなり、体がビクっとした。
「ここ、気持ちいいんだ?」
「あぅっ……ああ…んっ」
「なんだ?言葉が話せてないぞ?」
「…んっっ…!やっ…きもち……」
「ん?」
「……きもいいっああっ」
さっきこいつは自分ではそこまで開発してないと言っていたが、十分開発済みなくらいの抜群の感度だった。
「そんなに感じちゃってエロいな。俺ももう我慢できん」
十分解れただろうあたりで俺は自分のモノの先をこいつの穴にあてがった。
「……っ」
隼はビクンと反応し、目を瞑った。
「…怖いか?」
「少しだけ……そんなに大きいの、ほんとにはいるのかな…」
「大丈夫だ。ゆっくりやるから。無理になったらちゃんと言えよ?」
俺は自分のをグッグッと押し付けるようにして穴を広げた。
「いっ……!!」
「ごめんな隼。痛いか?」
「うっ……ううん…まだ大丈夫…」
隼は必死な顔をしてそう言ってくれた。
俺は隼の気を少しでも紛らわせる為に、隼の乳首やモノを触ったり唇を重ねたりした。
「だいぶ入ったな。どうだ?」
「うん…慣れてきたかも…」
「少し動くぞ」
色々しながらゆっくり時間をかけて挿入しているうちに、隼は俺のほとんどを受け入れていた。
「……ああああっっ」
「大丈夫か?」
「うんっ!大丈夫……ちょっまって…そこ当たるから……」
「ここか?ここがいいのか」
「ああああっ!だめ!」
「だめじゃないだろ?」
ゆっくりと腰を動かした途端、隼はさっきまでとは比べ物にならないくらいの喘ぎ声を上げた。
指で解したときに見つけたコリコリした部分を目掛けて俺の先で突くと、隼の反応は更に大きくなる。
「っっあっ!あっ!んんっ」
「すごい乱れようだな……」
汗をかき目を虚ろにし涙を流して感じてる。
目の前に自分の大好きな奴のそんな姿がある。
俺はこれが夢なのかと思うくらい、幸福と興奮でどうにかなりそうだった。
「……っ隼っ」
「優……?」
「出すぞ………」
「えっ優っ………あっ!」
「………っっ!くっ…っ」
気がつけば腰の動きが早くなっていて、俺は隼の中で盛大に果てた。
「……ああっ」
ビクビクっと腰が震え、これまでにない快感にしばらくそのまま浸っていた。
自分のがドクドクと隼の中に入っていくのを感じた。
最後の一滴までこいつの中に流し込める。その優越感と幸福感で胸が一杯になった。
「………ごめん隼、中に出して……」
少しずつ頭がクリアになり、理性が戻ってきた。
目の前の隼は少し物足りなさそうにまだこちらに尻を突き出していた。
「いいよ。子供生まれたりはしないんだし。優、気持ちよかった?」
隼は四つん這いで尻を突き出したまま顔をこちらに向けて聞いてくる。
「ああ。最高に気持ちよかった。
ただ隼、お前はまだイッてないよな?
俺が先にイッたから、まだ足りないんじゃないのか?」
えっ、と驚く隼が意味を理解する前に、俺は隼の中を再び指で掻き回した。
「……あっ!」
「俺の出しちゃったからな。今掻き出してやるよ」
「ああっやめっ……あっ」
掻き出すといいつつ、再びコリコリばかりを攻める。
隼はまた気持ちよくなって快楽に身を任せる。
「んんっ優……優のがいいっ」
「なんだ?」
「優の入れてよっっ指じゃなくて…!」
隼は再びこちらを振り向き、そう懇願した。
その言葉に先程果てたばかりのはずの俺のモノはすぐに元気を取り戻した。
魔性の男だ………
そう思わずにはいられないその妖艶な姿に、俺はまた自分のモノを入れた。
「ああああっ!!」
すると隼もまた満足そうに大きな声で喘ぐ。
今度は俺も初めから腰を早めに動かす。
「…きもちいいっ……あっ!優…きもちいいっ」
「ああ。俺もだよ隼。お前の中、気持良すぎるっ……」
「優の……太くて熱くて……すごいきもちいいっ」
もはやお互いの理性などどこにもなかった。
互いが互いを求め合い、貪り合い、快楽に溺れる。
もう、誰にも止められない………
一度知ってしまったこの気持ちよさを、罪悪感を、背徳感を、最早誰にも止める術はない。
「……あっ!優っもっとはやく……早く動いてっ」
自らも腰を動かし淫乱な動作で淫乱な言葉を叫ぶ。
快楽の海は通常の思考や理性というものを全て奪い去り、沈めていく。
「……っああああっっっ!きもちいいっ」
動きを速めた俺の腰にあわせて、俺のモノは隼の奥を突く。
自分のが大きくなる度に、こいつの中に密着するのがわかる。
密度を増した二人の性器は、その摩擦がもたらす快楽に耐えられそうにもない。
「………隼っまた出すぞっっ」
もはや余裕などない。
切羽詰まった声で隼に話しかける。
「……っ出して!いっぱい出して!」
「っっイクっ……っうっっ」
2回目の絶頂。
しかしさっきと変わらないくらいの快楽と開放感。
再び俺の体液がこいつの中に流れ込む。
足から力が抜けるような感覚だ。
小刻みに震える腰がフワフワする。
息を吸う度に敏感な下半身がヒクッと動く。
俺らはしばらくそのままの態勢でいた。
互いが最高の快楽から抜け出すまで。
まさかこんな短時間に2度も搾り取られるとは……
俺は普段そこまで回数が多くない方だ。
自慰も、基本は一度で済む。
しかし今回ばかりはそうはいかなかった。
目の前で余韻に浸る隼を見ると、まだまだいけるような気もしてきた。