『イット・カムズ・アット・ナイト』 赤い扉の向こう側【80点】
【あらすじ】
「ザ・ギフト」では長編初メガホンをとるなど多才ぶりが注目される俳優ジョエル・エドガートンが主演のほか、製作総指揮も務めた心理スリラー。
ポール一家は夜になるとやってくる正体不明の「それ」から逃れるため、森の中の一軒家に隠れ住んでいた。そんなポール一家のもとに、ウィルと名乗る男とその家族が助けを求めて訪れてくる。
ポールは「それ」の侵入を防ぐため、夜は入り口の赤いドアを常にロックするというルールに従うことを条件に、ウィル一家を受け入れる。
2つの家族による共同生活はうまく回っていったかに思えたが、ある夜にロックされているはずの赤いドアが開け放たれていることが発覚。
2つの家族に芽生えてしまった猜疑心、そして「それ」への恐怖から、それぞれの本性が次第に露わとなっていく。
監督は数々のインディペンデント映画賞で受賞歴を持つ新鋭トレイ・エドワード・シュルツ。
【因幡さんの映画語り】
イット・カムズ・アット・ナイトとは「それは夜にやってくる」という意味。
いわゆるモヤモヤ系映画で、人によっては解釈が違ってくる内容になっている。
家族を描いているが、閉鎖的で、それはとてつもなく病的だ。
冒頭で絵画が差し込まれ、世界は【感染】によって絶滅していることがわかる。
ポール一家は夜にやってくる「それ」におびえて暮らしている。
ある日、ウィルと名乗る男性が侵入し、捕らえたところ、取引をもちかけられる。
ポールはウィル一家を受け入れ、2つの家族が共同生活を送ることになる。
ポールの息子、トラヴィスが、【赤い扉】がかってに開いているのを見つけるまでは・・・。
救いのないラストになっているので、それが嫌な人は観るのはやめたほうがいいだろう。
実はこの映画、【それ】の正体をはっきりと明かしていない。
だからこそ、人の想像がふくらんでくる。
各シーンから【うそ】がわかったとき。
家族が身内を守りたいがために【うそ】に気づけないとき。
そしてその家族の【狂気】に気づいたとき。
【それ】は常に闇の中にある。
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