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 虎族は獅子族と同じく力と防御に優れた屈強な体格の種族だった。冷静と判断力に優れた虎族は、獅子族とは違い。戦いを好む種族ではなかった。だが、いざ戦いが始まれば彼らは獅子族と同じく勇猛果敢に戦いぬき、恐れも知らぬ狂戦士として戦う程の種族だった。

 身軽で素早い動きの猫族は、体格は獅子族や、虎族よりも小さく力は彼らよりも劣っているが、猫族は半獣族の中でも頭が賢く、暗闇の中でも目は抜群であった。

 狼族は誇り高き勇敢な戦士であり、気高い彼らはその一生を戦いに捧げる種族だった。速さに優れた能力と、驚異的な身体能力に彼らは優れていた。半獣族の次にわかれた種族は鳥族であった。

 鳥族の彼らは鳥類の中でも、最も進化した種族だった。半獣族と同じく混血の血を引く彼らは、人から鳥へと化身することで本来の力を発揮する種族であった。半獣族と違い、力はさほどないが。速さに優れた身体能力を持つ彼らは、翼で天空を支配する程の実力を持った種族だった。そして、賢い鳥族は時にずる賢い性格でもあった。

 鳥族は3つの種族にわかれた。鷹族は優れた翼で天空を征して勇猛果敢に戦う戦士だった。鴉族は優れた翼を持ちながらも、その精神は魔族に似た精神をもち合わせていた。悪知恵を使っては同族の騙し討ちなども、平気でやるような卑劣な種族であった。鴉族はいつしか人族と同族に嫌われて、いつしか鴉族は魔族側へと落ちたのだった。
 白鷺族は混血でありながらも、優雅で美しい人の形をした鳥族であった。その絶世の美しさは、人間すらをも嫉妬してしまうほどの美しい種族だった。だが、皮肉にも白鷺族はその美しさのあまりに人間や魔族にも狙われてしまう種族となってしまった。

 白鷺族は自分達の身を隠すために混迷の森の奥深くへと隠れたのだった。次にわかれた種族は人の形をしながらも純白の翼を持った天使族だった。

 神の使いである彼らは、遥か天空の頭上に天使の国を築くと、空から地上を神の目となって全ての行いを監視した。そして、次にわかれたのは龍人族であった。龍と人の血を引く混血の彼らは、遥か古から長く存在する幻の種族であった。龍人族の彼らは、もっとも高等な種族であり。争い事に関しては、一切顔を出さずに他の族種族とも戦わないような種族だった。

 しかし、その龍族が一度戦いを始めれば、灼熱の業火の炎で全てのものを焼き尽くすほどの強力で凄まじい破壊力をもっていた。そして、龍の体は全ての刃を砕くほどの凶刃な鱗で覆われていて、龍の鋼の鱗は頑丈にできていた。

 全ての者は龍人族の持つ力に恐れおののき、どの種族も龍人族とは戦いを挑もうとはしなかった。龍人族はひっそりと生きるために世界から姿を消すと、世界のどこかにあると言われている至上の楽園。シャンバラへと彼らは身を潜めたのだった。

 こうして、人族、半獣族、鳥族、龍人族、エルフ族、ドワーフ族、ノーム族と他の種族も次々に各地へとわかれていった。そして、最後に地上に現れた種族は魔族だった。天使から堕天使へと堕落して落ちた一人の天使は、闇に心を何年も囚われた。

 落ちた堕天使は一人の悪魔と契約することで、大いなる巨大な力を宿した魔王として生まれ変わったのだった。そして、魔王の体からは邪悪な悪魔と魔族が次々に生まれると、魔族は偉大なる魔王を称えて魔王のしもべとなった。魔王は悪魔と魔族を従えると、地獄の冥界ジャハンナへと姿を消した――。

 そして、地上を支配していた人間達は愚かで醜い争いを人間同士でしあった。大地は穢れた血で赤く染まり、堕落した人間の醜態は、おぞましいほどの人間の呪われた歴史を幾つも作り上げた。そこには、殺戮、虐殺、破壊、暴力、支配、征服、略奪、強奪、強姦、悲劇、惨劇、禁忌。ありとあらゆる忌まわしき所業がこの天と地で繰り返されていた。

 神が作り上げた箱庭は、いつしか人間達の愚かさと醜態を見せつけるような壊れた世界がそこには無数に広がっていた。さらに時は過ぎ、神が眠りについてから、やがて60億万年の月日が経った。そして、ある日それは前触れもなく訪れた。神は深い眠りから突然目覚めた。そして、神は目覚めると、眠りについている間に地上では、一体何が起こっていたかを神の目で通してみた。そして、神は全てを見て知ると絶望した。自分に似せて作った人間達が地上を支配していること。そして、人間が作り上げた愚かな惨劇の歴史に神は深く失望したのだった。人間達の他にも愚かな種族同士の醜い争いに失望すると神は呟いた。この世界に終焉を――。

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