第11話 此の国の神殿にて……(3)
「女王アイカを助けろぉおおおっ!」
「助けるの、だぁあああっ! 皆の衆ー!」
「ウォンさまが来る。来るまでに何とか、宮殿内の隔離室から女王アイカを救い出し。解放するの、だぁあああっ!」
「皆、早くー! 早くだぁあああっ!」
「だから敵に怯むなぁあああっ! 怯んではいかん! いかんぞ!」
「突撃! 突撃だぁあああっ! 同士ー! 皆ぁあああっ!」
「うわぁあああっ!」
「うぉ、おおおっ!」
「わぁ、あああっ!」
「やぁ、あああっ!」
〈ガン!〉
〈ガン、ガン〉
「そうはさせるかぁあああっ!」
「皆ぁあああっ! こちらも敵兵ー! 裏切り者達に対して怯むなぁあああっ! 臆するなぁあああっ!」
「皆ぁあああっ! 突撃ー! 突撃だぁあああっ!」
「次期に応援部隊! 増援部隊がくるからぁあああっ! それまで持ちこたえてみせるの、だぁあああっ! 皆ぁあああっ!」
「うぉ、おおおっ!」
「うぉ、りゃ、ぁあああっ!」
「行け! 行け! 生けぇえええっ!」
「行くの、だぁあああっ! 皆ぁあああっ! 謀反をする者ども! 達へと! 裁きの鉄槌を食らわせてやれぇえええっ! 皆ぁあああっ!」
「うぉ、おおおっ!」と。
荒々しく、殺伐とした声、台詞──。
そして刹那──。
絶叫、断末魔が。窓の外へと聞く耳を立てている女王アイカの大きな笹耳に聞こえくる。
でっ、その騒めき、喧騒を女王アイカが自身の脳裏で分析したところ。
どうやら謀反をおこなった者達は、自分自身をこの場。この神殿。隔離。監禁室から救い。解放し。
その後ウォンと合流させて、自身の主、夫である皇帝健太とまた対峙、戦、争いをさせようといった目論みがある者達が。この神殿を警護。守護している漢戦士達と争い始めたみたいだと言うことが、女王アイカ自身にはわかった。理解ができたみたいなのだ。