『ハロウィン』 少年はマスクをかぶりて悪魔となった【90点】
【あらすじ】
ミュージシャンで映画監督のロブ・ゾンビが、ジョン・カーペンター監督の「ハロウィン」(78)をリメイク。
出演に「時計じかけのオレンジ」のマルコム・マクダウェル、「X-メン」のタイラー・メインら。
友達にも家族にも愛されない孤独な少年マイケルは、ハロウィンの夜、家族やその恋人らを惨殺し、厳重警備の精神病院に収容される。そこで著名な精神科医の治療を受けることになったマイケルだが……。
【因幡さんの映画語り】
現在の若者は知っているだろうか?
ハロウィンには白いマスクをかぶった殺人鬼がうろついていることを。
殺人鬼マイケルは刃物を逆さに持つという特徴があり、殺そうとする相手をじっくりと観察する癖がある。
ときには人の死に際を見て、「なんでこんな動きをするのだろう?」と首をかしげるしぐさまでする。
なぜ彼がそういった行動に至ったか、この映画では描かれている。
マイケル、日頃鬱積したものを晴らすかのように、同級生、父親、姉、姉の恋人を殺す。
唯一、赤ん坊の妹には手を出さなかった。
悪魔の息子を産んだと汚名を着せられた母親は、銃で自殺する。
17年後、マイケルが施設から逃げ出し、成長した妹を追い始めるが・・・。
いわゆる流行りの「なぜ彼は殺人鬼になったのか?」シリーズである。
監督ロブ・ゾンビらしくエログロも健在。
映画を観るかぎりでは、虐待を受けたというわけではなく、母親から愛情を持って育てられたようだ。
彼の中にいる「何かが」マスクをかぶると同時に、具現化するという内容になっている。
良心との呵責があったのか、殺しが中途半端な部分があるのはそのためか。
成長した最愛の妹に、笑顔を向けながら、赤ん坊だった彼女と映っている姿の写真を渡そうとしたのが、彼の最後の理性だったのかもしれない。
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