第19話 エルフな勇者さまは、鋼の乗り物を見て驚きます! (6)
そう、我が家のエルフな奥さまが、僕の愛車の一つである真っ赤なホンダN360──。
今の令和の時代を走っている。走行しているような大きな軽四輪の車、自動車ではなく本当に小さく。室内も狭い。
でもね、前のシート。運転席と助手席との間に仕切り。手を肘を、置く場所も無い程のスペースだから。男女が二人座ればね。本当に密着状態でね。恋人、夫婦同士ならば仲慎ましく。和気藹々と街乗りドライブを満喫できる代物だと、令和になり齢を重ねた僕が、未だに保管、所有をしていれば良かったと思う程、可愛い容姿をした軽四の自動車だったのだ。
でっ、室内の方も、チェンジを変える。変則するシフト、ギアがね。運転席側と助手席側のダッシュボードの間にあるのが特徴でね。ミッションのシフト、ギア、チェンジの入れ方が、トラックのシフトチェンジと同じなのが特徴なのだ。
それに、あの頃、昭和の軽自動車は、今のようなパワーステアリングではなく。大変に重たいステアリングでね。僕はツレや仲間内で、【力ステ】、力ステと呼んで、『うん、うぅ~ん! うん!』と、大袈裟なぐらい声を漏らしながらハンドルを切っていた記憶がある物だったのだ。
特に、僕が所有していた真っ赤なホンダN360Ⅲは、前の持ち主であったツレ、友人がね。どこのメーカーかわからないような小さなハンドルに交換。タイヤの方も十(トォ)インチのハヤシのホイールに変えていたから、尚更重たくて、スーパーマーケットやショッピングモールの駐車場へと駐車するのに大変に苦労をした記憶がある。