第19話 エルフな勇者さまは、鋼の乗り物を見て驚きます! (4)
だって、先程も僕が説明をした通りだ。カーテンの隙間から注ぎ込んでくる朝陽、日輪の光り、輝きと。この六畳間を明るく照らす蛍光灯の光りの為に、僕の大事な妻の肢体のライン。ボディーラインと言う奴が、薄手の白色のボンタンジャージから薄っすらと浮かんで見える。凝視できる。それがまたなんと妖艶、官能的、艶やかさを醸し出しているのだよ。
だから己の顔を緩め、鼻の下を長く伸ばしている僕なのだが、実際のところは不満。近所の奴等に僕の可愛い新妻、エルフな奥さまの御立派過ぎる、優艶なボディーラインを見られたのではないかと思うと悔しくて仕方がない、ないのだよ。
「そうなの、一樹?」
「うん、実際のところは、怒っているんだよ。僕はエル」と、妻に説明をするのだけれど。僕の不満は未だ収まりきれないのだ。
「ほんとはね? 何で自分自身の容姿をちゃんと見て、確認……。チェックしてから玄関の扉を開けなかったの、エルは? と、僕は嫉妬心を募らせながら。しつこくエルに不満を漏らしたい衝動に駆られているのだけれど。今更エルに不満を告げる。呟く。漏らして、八つ当たりをしても仕方がないから。こんな感じでおちゃらけて魅せて、素知らぬ。平常心を装っているだけだからね。僕もしつこく愚痴を漏らして、エルに嫌われたくないから」と。
自身の心の中が直ぐに読み取れる。元勇者な妻へと、僕は正直に説明をしたのだ。