146 ぽよよん
ぽよんぽよよん
なんだろう~?
『サ、サーヤの目が』
『飛び出してるみたいだなぁ』
フゥとクゥの驚いてる声が聞こえます。『『なんか不気味...』』と言う声は聞こえないことにしてあげます。
『うわ~しかも、左と右で違う色~』
ぴゅい『きんいろと』
きゅい『ぎんいろ~』
『『エンシェント』』
『『『スライムさんだ~』』』
ハクたちがぽよんの正体を教えてくれます。
「うにゅ?きんいりょしゃんちょ、ぎんいりょしゃん?」
スライムさんたちがくっついてるの?
『『『〖あっ〗』』』
〖すっかり忘れてたわ~〗
『私もぉ~』
『我もだ』
『私もです』
ジーニ様たちの〖そういえばいたわね〗って声が聞こえます。
それが聞こえたのか、エンシェントスライムの奥さんと旦那さんが、ぴょ~んとジーニ様たち四人の前に。
「おお、しぇかいがしゅっきり」
スライムさんが離れたからかぼんやりくにゃくにゃしてた世界が元に戻りました。
『そりゃあ』
『あんなのがついてたらねぇ』
クゥとフゥがサーヤの目が何ともないか確認してくれてます。大丈夫だよ。
ジーニ様やアルコン様たちの前に降り立ったスライムさんたち
『やっぱり!』
『忘れてたでしょう!』
と怒ってる声が聞こえた気がします。
だってビシッて指さしてます。
……ごめんなさい。サーヤも少し忘れてました。
『サーヤ、大丈夫』
『たぶん、みんなで』
『忘れてたね~』
ぴゅいきゅいっ『『おちゃべりちないから』』
『『気づかなかった~』』
『『『どこにいたの~?』』』
フゥとクゥ、ちびっ子同盟も忘れてたみたいです。
「きんいりょしゃんちょ、ぎんいりょしゃん、ぢょこいちゃにょ~?」
そう言うと、スライムさんたちが、ふるふる震えたかと思うと、お口?をあ~んと開いて、ぽこぽこぽこっと、キノコや木の実、空の魔石も出てきました。
「こりぇ、あちゅめちぇくりぇちゃにょ~?」
ふるりんと震えると
『そうよ~』
『これからお世話になるからな』
って聞こえた気がしました。
「あいがちょ~」
スライムさんたち抱きしめてスリスリします。ぷにぷにです。
「きもち~にぇ~♪」
ぷるる『そうでしょ~う』
ぷるん『そうだろう』
って聞こえた気がします。
『ふふふ…そう言えば、まだいましたね。私が帰るまでに名付けが終わればいいのですが…ふふふふ…』
バ、バートさん!三人?でびくーっとします。
「あ、あい。がんばりゅ」
こくこく。なぜかスライムさんたちもこくこくしてます。
あれ?そう言えば山桜桃お姉ちゃんたちは?とそちらを見ると、
「ふぇえ??」
見た目はあまり変わってないけど、二人でぴょんぴょんしてました。ただ、高さが……大きなアルコン様が見上げるくらい高くぴょ~ん。トランポリンあったっけ?
「しゅご~い」
ぴょ~んするたびに、たか~くなってます。
『な、なにごと』
『すごいな…』
フゥとクゥも驚いてます。そしたら、
ぴゅいきゅい『『すごいすご~い!』』
きゅい!『ぼくも!』
ぴゅい!『わたちも!』
と、双子がぱたぱた行っちゃいました。
「ふぇ?」
何が?ぼくも?わたしも?
すると、双子は地面に向かってお口をぱっかん。お姉ちゃんたちにタイミングを合わせて、お口から、
ぴゅきゅ『『せーのっ!ぼっ!』』
って何かを発射しましたあ!そしたら、ぼふっ!て爆風に乗って、ばびゅんっ!ってお空に飛んでっちゃいました。
ヒュンッ
『『えっ?』』
とお姉ちゃんたちは自分たちを追い越していく水色とピンクの物体を見て、お目目まん丸で止まっちゃいました。
『『はぁ?』』
と間抜けな声が出ちゃったのはフゥとクゥ。
「ふぇええ~?」
『『『『『『え~~っ?』』』』』』
と声が揃ったのは、双子を除いたちびっ子同盟たち。
『はぁ…』
アルコン様は眉間に寄ったシワを揉んでます。
ぴゅいきゅい~『『うわあああ』』
『あらぁ~また派手に飛んでったわねぇ~』
〖ほんとね~〗
結葉様とジーニ様はのほほんと眺めてます。
『アルコン様、双子はいつからブレスを吐けるように?』
ギン様がアルコン様に聞くと
『知らん。本能か?それにしても、初めてがこれとは…』
アルコン様は思いっきりぐったりしている。すると、
きゅい~いぃ『うわぁ~ん』
ぴゅい~いぃ『たかいよ~』
と、声が聞こえてきた。
『ねえ?あれってぇ 悲鳴よねぇ?』
〖そうみたいねぇ~〗
と、空を見上げながらのんきな声を出す結葉様とジーニ様。
きゅい~いい『おちちゃう~』
ぴゅい~いい『こわい~』
『おそらく、想像以上の事態に』
『どうしたらいいか分からなくなったのだろうな』
ギン様のつぶやきをアルコン様が受け継ぐと
ぴゅいきゅい『『たしゅけて~』』
「ももーっすいーっ」
落ちちゃうーっ
『うわ~大変~』
『『どうしよ?どうしよ?』』
『『『だれかーっ』』』
落ちてくるモモとスイを見てちびっ子たちも大慌てっ
アルコン様がそんな様子に
『はぁ~』
と、ため息をつくと数歩前に出て、『きゅい~』『ぴゅい~』と落ちてきた双子をぼすっと受け止めた。
ぴゅいきゅい『『お、おとうしゃん』』うるうる
『まったく、何をしてるのだ』
ぴゅいきゅい~『『ごめんなちゃい~』』ぐすっ
落っこちるって怖かったのと、助けてもらえてほっとしたのと、アルコン様に怒られたと思ったのと、色々ぐちゃぐちゃでモモとスイは泣きそうです。
「もも~、すい~、だいじぶ~?」
『も~びっくりしたよ~』
モモとスイのところにみんなで集まります。
きゅいぴゅい『『だいじょうぶ~』』ぐすっ
ほんと?良かった~。
『モモ、スイ。いつからブレスを吐けるようになったのだ?』
アルコン様が疲れたように聞くと
ぴゅい『さっき』
きゅい『はじめて』
ぴゅいきゅい『『できるきがちて~』』
え?そうなの?
『はぁ...、やっぱりか。今度教えてやるから、それまでは禁止だ』はあっ
アルコン様、思いっきりため息つきながら禁止令発動です。
きゅいぴゅい『『え~』』
モモとスイがいや~んってしてます。
『モモ、スイ』
アルコン様はそんな二人をじーっと見ます。
ぴゅいきゅい『『は~ぃ』』
モモとスイはアルコン様に少し怖い目で見られて、不満げだけど納得したみたいです。でも無事で良かったね。
「ゆすらおねいちゃんちょ、はるひおにいちゃんみょ、しゅごかっちゃにぇ~」
ぴょ~んってすごかったね。
『は、はい。なんか体がむずむずして』
『なんか、分からないんですけど、跳んでみなきゃいけない気がして』
『跳んでみたら』
『あんな感じに』
そうなんだ~。
〖ん~獣人は身体能力がそもそも高いから、それがきっと進化したのね~〗
そっか~
『その内、武神様もいらっしゃると思いますが、それまではゲンさんに色々教わるといいでしょうね』
と、バートさんが言う。
「おいちゃん、しゅごい。さーにゃも、やりゅ♪」
教わるんだ~♪えいえいっ!ぱんちぱんち!
『『えっ!?』』
「う?」
なんで驚くの?
『サーヤはぁ、準備体操からなのよねぇ』
と、結葉様。
「あい!がんばりゅの」
楽しみだね~♪えいえいっ!
『な、なるほど』ホッ
『そうですよね』ホッ
「うにゅ?」
なんでホッとしてるのかな?
『サーヤはその前に、まだやることありますよね?』
「う?」
『名付け、がんばりましょうね』にぃっこり
「ふ、ふぎゃぁぁぁ」
そうだった~!バートさんの鬼~
『ふふふふ……』
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読みいただきありがとうございますm(*_ _)mまだ、いたんです…