そうして俺は電車で霊能力者の事務所がある隣町にやってきた。
事務所が入っている建物は駅から歩いて数分のところにあった。
「随分とボロい建物だな」
事務所が入っているマンションは古かった。しかし、例の密度はそこまで高いわけでもなさそうだ。
俺は階段を上り事務所の前に行きインターホンを押した。
「すみませーん、ネットの広告を見てやってきたんですけど」
しばらくするとドアが開いた。
「どうぞ、お入りください。」
そういって現れたのは俺と同じぐらいの年であろう少女だった。
少女は色白で長い髪にはつやがあり、小柄でクールな美少女だった。
少女は霊がまとっているような強いオーラをまとっていた。彼女を一目見て分かった。どうやら彼女は本物の霊能力者のようだ。俺はテレビでは何人か本物であろう霊能力者を見てきたが実際に直接会ったのは初めてだ。 これは期待してよさそうだ。
だが俺が1番気になったのは彼女の感情だ。彼女の感情はおそらく俺が覚えている限り今まで見た誰の感情よりも黒かった。
「どうぞ、座ってください。」
俺は彼女にそういわれテーブルをはさんで彼女の向かい側にあるソファーに腰かけた。
「私が霊能力者レイカです。ご用件は何でしょうか?」
「俺の親友がクラスの不良グループにいじめられた。不良グループのリーダーの親は有名な権力者で先生に報告してもきっともみ消されるだけだろう。奴らに復讐がしたい。」
俺は質問に対しこう返した。
「分かりました、どういった復讐をお望みですか?」
俺は彼女に対してあったときから疑問に思っていたことを尋ねた。
「あなたは一体どういった霊能力者なんですか?」
少女は少し驚いていった。
「珍しいですね,あなたは私が霊能力者ではないとは全く思っていないようですね。」
「まあ、なんとなく本物ってかんじがしたので。」
「私の霊能力はオカルト現象を引き起こす力です。」
オカルト現象を引き起こす力? 面白そうだ。