第15話 勇者の気落ち、落胆。涙……(4)
「うぅん、うぅん」と、僕のエルは、自身の頭を軽く振る。振りながら。夫の僕は悪くはない。ないのだと、無言で言ってくれる。告げてくれる。
でも? 悪いのは僕。僕なのだ。エルが悪い訳では無い。無いのだ。
ぼ、僕が宇宙人さん……。いや、エルに僕が一目惚れをして邪な想いと感情を募らせ、介護と、介抱を理由、言い訳にしながら。僕はエルに邪な行為、悪戯行為をしたから。エルが憤怒──。怒号! 怒りをあらわにして荒々しい行為をおこない。僕は他界をした。死んでしまった。
でっ、その為に、エルは、己の体内に宿した新たな魂……。僕とエルとの最初の交わりでできた新たな生命の命と魂、源と言う大事な者を。僕の生命として挿入してくれただけなのだ。
だから悪いのはエルではない。ないのだ。全部不埒な僕が悪いのだから。