第5話 アイカと年下な男の子(3)
そう、先程口頭シーンで説明をした。此の国の女王アイカの肌の色に良く似た少し薄い色のグリーン──。パステルグリーンの小箱と。その中に入っていた可愛らしいオープンハートのネックレス……。
まあ、こんな可愛く加工をされたシルバーアクセサリーのネックレスなどこの世界では販売をされてはいないし。加工するだけの技術もこの世界には無い。無いからね。
だってこの世界は日本の中世の頃の時代よりも古い。太古、卑弥呼、神話の時代の頃と変わらない時代、世界観だからね。
此の国の女王アイカは、未成年、思春期の少年らしい、己の主からの心が篭った可愛いプレゼントを興味津々に見詰めている。
……ではないね?
まあ、とにかく彼女──。此の国の女王アイカは大変に嬉しそうに見詰めている。
大変に満足! 満足! 余は、妾は、大変に満足! 満足なのだよ。と、でも言いたい容姿、様子なのだ!
もう、それこそ?
『えぇ、えええ~。うそ~。本当にいいの~? あなた~? あなた~?』、
『うわぁあああ~。愛している~。愛しているは~。あなた~。大好き~。大ちゅき~。ちゅき、ちゅきよ~。愛しているは~。あなた~』とでも言いたい。申したい。
それこそ? 歓喜の声を大にして叫びたい衝動に駆られるほど満足! 満足しているのだ。
元己の彼、婚約者、主、夫だったかも知れない? 此の国の漢王になれなかった人物であるウォンのことなど忘れる。
そう? 己の脳裏に少しでも彼の面影、幻影が残らないほど歓喜している。
そして? 戦勝者! 勝利者の漢、少年王の愛を受け入れながら艶やかな吐息と声音をわずかに「あっ、あああ~。あん、ああ~」と、漏らしながら。更に問いかけ囁くのだ。
「うぅん、うん、ああ~、ああ……でも?」とね。