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第4話 アイカの不満(29)

 そう、他人、傍から誰が見て確認をしても、女性としてだらしない。余りにも乱れ、乱れている。己の価値──。一国の女王としての威厳と価値を下げる行為をやめ。やめてね。

 自らの命を絶つことを選ぶこともしない。しないで続けている。二国の男王である健太の下僕、性玩具、奴隷と化してまでも耐え忍びながら続けているのは、元彼、婚約者、夫、此の国の漢王へとなれなかったウォン(男)への今も微かに残る情、愛情の為、元彼の命を守護──。永遠にウォン(彼)の命を永らえもたす為に。此の国の女王アイカは、己の今の主、夫である二国の男王である健太へと、嘘偽りの愛、愛情を魅せながら続けているのだ。

 多分ね?

 と、しかここでは告げることはできない。できないのだ。

 女性の心、異性への想いは、かなり複雑……。

 その場の勢い。ムードによっては、「駄目だ! 駄目だ! 離れろ! ウォン!」と、凛とした様子──。威勢、荒々しい口調と声音で、最初はウォンへと拒否をしていた。していた女王アイカも。ウォン(元彼)のないないづくし、行為、優しさで。ふと気がつけば。甘く、淡く、優艶な声音と吐息を漏らしながら。

「ダ、ダメ、やめて~。やめて~。ウォン~。お願いだから~。こ、このままだと~? あ、あのひと~。建太に~。ば、ばれてしまう~。しまうの~。そうなれば~? 二人して~。地の底~。冥府へと~。堕ちて~。堕ちてしまうよいになるから~。ウォン~。あ、あなた~。やめてよ~。お願いだから~。私に触れる~。触る行為はやめて~。あなた~」と。

 まあ、いつの間にか、こんな感じだよ。

 自身の臣下、直属の近衛隊長(ナイト)としか見てはいけない。接していけない男へと、己の言葉、台詞に反した動き、自身の肢体をクネクネと艶やか、官能的に動かしている始末だからね。

 此の国の女王アイカはね。

 でも、かといって?

 そう、話し、物語の冒頭のシーンの通りだよ。此の国の女王アイカは、少年王健太との初対面で、二人で会話……。

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