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第4話 アイカの不満(27)

 でッ、なければ? この男? 只今、元自分の女性(物、所有物)であった、ではないか?

 二国の男王である健太の温和な処理と処置、待遇に対して不満を募らせ、あらわしながら王の意に反する行為──。謀反にも値する行為を平然としてしまうほど。少女、貧相、貧弱な容姿を持つ少年王健太のことを侮り、蔑み、蔑ろにする行為を平然と、大衆の面前に近い場所、触れるかも知れない場所でおこなう。おこなえることができる訳ないはずだからね。

 みな、此の国の女王アイカが、己の元彼、婚約者、夫だったと申しても良い間柄だったウォン(男)の為にと。心身ともに……。



 そう、二国の男王である健太の妻、妃、下僕、性奴隷として尽くし今の男王である健太へと妻として奉公、尽くしているからであり。

 実際このウォン(男)の命は、いつ風前の灯火、躯になっても可笑しくないギリギリの状態。状態なのだが。

 今も説明をした通りで、女王アイカが自らの身を犠牲……。



 他人が、誰もが、見て聞いて、女王アイカのことを凝視、確認しても、威風堂々、神々しく、凛とした高嶺の女王らしくない振る舞いをしている女王アイカだから。己のしている行為……。



 己の元彼、婚約者、主に等しい人物を捨て、敵であった男。可愛い容姿を持つ、美少年王へと寝返り。己の身と身の上、地位を守る為に、少年王健太へと、己の女盛りである肢体を曝け出し。捧げ。奉公、尽くすような恥じる行為を、己の意思で選び、続けている。

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