第15話 次のミッション
「みなさんお疲れかもれしませんが
そのままの体勢で結構なので聞いてください」
僕たちは昨晩の鎌倉の騒動で疲れ果てていた。研究所で雑魚寝状態。
「今回は実は政府関係と宗教関係の
合同依頼になります。」
「花魁淵きいたことあります?」ドク
「聞いたことあるな、淳二の怪談かなにかで聞いたぞ」僕
「今は通行止め」で入れなくなっている。
「まだ詳しい情報は入ってきてないのですが、おそらく我々はいくのは1週間後くらいかと思います」ドク
花魁淵、武田信玄の金山と政府そして宗教団体と複雑そうな内容だな。
また後日、依頼内容が来るようだ。
「藍原、うちまでくれば車で送っていくぞ、雨だしな」
中島は駅前でこれからバイト、ミコちゃんはドクと鎌倉のデータ整理だと。
姉御は今だに爆睡状態、今回姉御がいなかったら捕獲は難しかったし仕方ないな。
外は雨だ。「先輩折りたたみ傘とかもってないんですか?」
「ドクに借りてくるか?」
「私もってますよ」
「すぐ近くだから一個あればいいか」
僕が傘を持ち、自宅に向かって歩く。
藍原ってこんな小さかったっけ。
「なんかしゃべれよ」
「雨の音聞いてたんです」
「あっ」僕は立ち止まる。
公園の前に黒いモヤが3つ人型に浮かぶ。
「あれですか、いつもあそこに浮かんでますよ」
「そうなんだ、初めてみた」
「多分親子なのか、家族のような気がします、近づくとあっちの角のほうに逃げていくんです」
「見える人にしか見えない世界か」
「お前はいつもこんな世界みてて怖くないのか?」
「生まれてからずっとだから、みたくない時は舌打ちして、オフにします」
「ずるいな、やり方教えろ」
「先輩、ちょとスーパーよっていい?」
藍原はいつも自炊してるらしい。
スーパーなんて久しぶりに入った。
僕は買い物かごをもち、隣で藍原が商品を選ぶ。なんかこういうのいいよな。
「車で送ってもらえるから、いっぱい買っちゃいました」
僕のボロアパートの前だ。
「先輩、送ってくれるお礼にご飯作っていきますよ」
「うちコンロ一個しかないから大変だぞ」
「大丈夫ですよ」
僕の家はワンルームのロフト付きのボロアパート。築30年くらいだ。
TVでもみてくつろいでてください。
「トントントントン」
店舗よく何かを切る音
「何作ってんだ?」
「いいからあっち行っててください」
幽霊も危険も何もない生活がいいのかもしれないな。
「藍原そういえば、今の活動どう思ってる?」
「最初はミコちゃんと先輩と廃トンネル行ったのが始まりだったけど、友達ができたし良かったって思ってます。」
「NAOTOさんとも再会できたし、運命かなって思ってますよ」
なんだよ、チャラオーナーに会えたのが良かったのかよ。聞かなきゃ良かった。
「NAOTOさんとはなんで知り合ったの?」
「前に言わなかったでしたっけ?高校生の頃、東京来たことがあったんです。その時、家族の件でお世話になったんです。。。」
「出来ましたよ」
「先輩テーブルの上片付けて!」
「あぁわかった。」
僕はテーブルを片付けた。
「これお前が作ったの⁉️」
「今、そこで料理するのみてましたよね」
テーブルには豚汁とハンバーグが用意された。
「帰ってから料理するの面倒だから今作っちゃいました。」
たわいもない話をして、ご飯にがっつく僕
「先輩、おでこにご飯が(笑)」
「どこどこ?」
「ここですよ」藍原が米粒をとる。
「。。。。」
藍原の顔が目の前に。。。
「ゴホッゴホッ」僕
「私はそろそろ、帰ります。。。」
「雨止んだし、電車あるので」
藍原はそそくさ、玄関に行き、靴を履く。
「藍原」
「なっなんですか?」
「山盛り買い物したものあるし、送っていくよ」
「あわあわ、そうでした、じゃあお願いします。」
僕は藍原を車に乗せて、荷物を積む。
「。。。」静かな車中
「そこで大丈夫です。」藍原は家の手前を指差した。
「先輩、また明日、職場で!」
藍原はそそくさ、アパートに向かって歩いていく。
「藍原!」
「はい!」
「また、飯、作ってくれ!」
「気が向いたら、作ります」
「そんなこと言わずに、すげー美味かったから」
「了解です。」
僕は鈍感なのか、藍原の気持ちも分からず、
京子という猛獣に狙われ。
エッチなことばかり考え。
いったい自分がどうしたいか分からない。