周辺散策4〜君の名前は?〜
物音がした…こちらに来ている…誰だ?
「だからぁ、この洞窟で人工的な火が…」
「ってあれ?誰もいない?」
俺はすぐさま洞窟の奥に身を隠した。
この異世界は俺がやっていたゲームに似ているとはいえ社会的常識が通じるなんてことは一ミリも思っちゃいない。
来たのは3人か…
「いや、でも焚き火の跡がある。」
「おい、カレ、ここのあたりに偵察をかけて人間がいないか調べてくれ。」
「分かったわ、こんなところにはいないと思うけど…」
俺は命の危険を感じ、対ゴブリン用に作った武器を奴らに向けた。
「えっ、すぐ近くに人が1人いる…」
『ビュンッ!!』
「うわっ、なんか飛んできたぞ…」
3人のうちの1人が飛んできた石を素手で掴んだ。
(火で加熱して結構熱くしたはずなんだけどな…)
そう、俺は事前に熱した石を魔法瓶に入れて保存しておいたのだ。
「ちょっと熱いな…」
(ちょっとじゃないだろ!?)
「おい!そこにいるんだろ!出てこい!」
これは…出てやった方が得策かもしれない…
「……」
「えっ、子供!?」
「嘘だろ?この危険区域に1人だって?」
「他に人は?」
いたけど先に帰ったとか言えないしな。説明がめんどくさい。
「ひ、1人です、少し道に迷って…」
「いや、特別な結界があったはずだ、どうやってそこを抜けた?まさかA級冒険者か?」
「………」
やばい、詰みだ。
「ぐあっ!」
後ろにいた男がうめき声を上げた。
「どうしたっ!!」
「すまない後ろのゴブリンに気が付かなかった…」
「すぐにヒールかけますね。」
するとカレと呼ばれる女性が杖からエメラルドグリーンの色に近い光を彼に向けて放った。
「とりあえずドリミアさんゴブリン達を片付けておいてください。」
するとドリミアと呼ばれる男は手をゴブリンに向けるとこう言い放った。
「ウィルと呼べぇぇぇぇ!!!」
彼の手から放たれた青白い光が辺りを包む。
光が収まった時にはゴブリンの群れは肉片すら残っていなかった。
「…で?君の名前は?」
うん、ここでただの名前を言っても面白くない
妙月は英語で…ストレンジムーンだから…
ってかゲームのキャラ名でいいか…
「…俺の名前はレジン・ストームです。」
めちゃくちゃ思いつきの名前だが不自然じゃないだろうか…?
「そうか、レジン君、よろしく頼む。」
「…と言ってもまず、なぜここにいるのか説明してもらおうか…」
これは長くなりそうだ…
異世界での僕のキャラネームはレジン・ストームです。